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美術展の開催前。特高と内務省の役人が、展示作品の検閲に来た。
1枚の絵の前で立ち止まる特高。
それは包帯でぐるぐる巻きにされ、倒れた兵士だった。傍らに穴の開いた鉄カブトが転がり、銃が地面に突き刺さっているものだった。

もっともらしい説明をするのは守田だった。ヤスジは武漢で見た風景を、そのまま描いていたのだったが・・・。
とりあえず、美術展は開催された。

多くの人たちが訪れる。その中には岡崎から上京した磯の姿も有った。
磯を見かけたヤスジが桜子に茶化す。
だが、それに輪を掛け「愛です。」と大げさに表現する桜子だった。

磯は和之の絵の前に立っていた。
黙って見入る磯。
ふと、隣に立つ人影。磯はそれが誰だか判っていた。

「いい絵でしょう。」
磯は隣の鮎川に声を掛けた。
鮎川も息子の絵を見ていた。

「まだまだだ。あと3年は精進しないと。」という鮎川。
磯は鮎川に言うのだった。
「その言葉、あなたからあの子に言ってください。」
自分は約束を守る、和之に会わずこのまま帰る、と磯は鮎川に言い、会場を後にした。

磯を追いかけてくる一人の姿。和之だ。
驚き振り返る磯。
「顔出さないで帰るなんて。」和之は息を切らせ、笑顔でいう。
素直に育った息子の姿。磯は嬉しかった。
展覧会が開けたのも、色々と応援してくれた磯のお陰と言い、1枚の絵を差し出す和之。
磯は風呂敷包みを開けた。
マロニエ荘で初めて見た、和之の絵だった。
僕の絵を好きだ、って言ってくれた人、初めてだったと和之は言った。
「また芋の煮っころがし作ってください。」
和之の屈託の無い願いに、磯は言葉が出なかった。
「図々しいか。」和之は決まり悪そうに笑った。
違うのだ。磯は嬉しさで胸がいっぱいだった。

「じゃあ、また!」和之は会場へ戻った。
磯は堪えきれず、涙で顔をグシャグシャにしていた。本当に嬉しかった。

翌日、会場に再び特高が現れ、展覧会の中止が決まった。
その夜、冬吾達は祝杯を上げる。たとえ1日でも、自分達の表現する場を得られた事が、彼等にとっては勝利だったのだ。
皆が盛り上がるのを他所に、杏子は桜子にそっと言うのだった。
「亨ちゃんの目、見えてないかもしれない。思い過ごしならいいけど・・・。」
姉の言葉に、桜子の表情が曇った。
その時、笛子が酒を買う為、一升瓶を抱えてきた。笛子は未だ何も知らない。
笛子は桜子に言った。
「そろそろ自分の事を考えなさい。」山長に戻れという姉に、明日1日だけ子供の面倒を見るから、という桜子だった。

翌日の夕刻。
甥と姪を連れ、出かけていた桜子が戻ってきた。
部屋に入る桜子。それまで夫婦水入らずの時間を過ごした冬吾と笛子。
桜子達を笑顔で迎えた。
だが桜子の沈痛な面持ちは変わらない。

桜子は改まって、姉夫婦と向き直る。
「今日、亨ちゃんを目の病院に連れて行った。」桜子は言った。
その言葉に、怪訝な表情の笛子。

「網膜炎という病気で、目が見えなくなるかもしれないから、精密検査が必要です。」

桜子の言葉は、姉夫婦にとって、思いもよらない衝撃となった。


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