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【ちりとてちん「笑う一門には福来る」#150】

つわりも落ち着いてきた喜代美の出番が遂に決まった。10月11日。和田家の人々にとって特別な日。
それは正太郎の命日だった。喜代美もあえて、この日を選んだのだろうな。大好きなお祖父ちゃんに、自分の生きる道を示された日。
「仰山笑え」を心に刻み、どうすれば仰山笑えるのか模索した日々だった。

10月11日、ひぐらし亭。
この日のスケジュールは夫婦落語会なのか。草々と若狭の名前がポスターに有る。
喜代美は楽屋で、自分の出番を待っている。鏡の前で、着物姿を見る喜代美の脳裏に、オープンの日、自分がスポットライトを当てた兄達の姿が鮮やかに甦る。
喜代美の耳に、正太郎の声が聞こえた。
「人間も箸と同じや。」
振り返った喜代美の目に飛び込んできた、懐かしい正太郎の姿。あの時と同じ様に、お祖父ちゃんは喜代美に微笑みかける。

磨いで出てくるモノは、塗り重ねたものだけ。一生懸命生きていれば、悩んだ事も落ち込んだ事も、綺麗な模様になって出てくる。お前のなりたいものになれる。

正太郎の遺した言葉が、和田家の人に、徒然亭の落語に、喜代美の人生に深く重なる。
落語も箸と同じ。
不器用ながらも、一生懸命生きてきた。落ち込む事なんてしょっちゅう有った。
色んな模様が付いた、"喜代美の人生"という名の塗箸。

喜代美が高座に上がる。兄弟子達と勇助が喜代美を見守る。客席には和田家の人々、魚屋食堂の人々、寝床に関わる人達、清海や草原の妻、緑も居る。
徒然亭若狭の落語、今日の演目は「愛宕山」。枕の話題は自分の妊娠と、自分が幼い頃のエピソード。
クヨクヨと悩んでいた子供の頃に、出会った落語は草若の「愛宕山」。話しながら喜代美が思い出すのは、母、糸子と自分の幼い頃からのエピソード。
鯖江から小浜に来たばかりの日、祖母に挨拶しようとお辞儀をしたら、車のドアに挟まったスカートが、思いっきり派手な音を立てて破れてしまった。
そのスカートの生地を使い、黒猫のアップリケを施した布袋を作った糸子。「仰山ええ事有ります様に~お守りや!」と言い、喜代美に手渡した。

若狭の愛宕山は続く。声も大きく、よく通る。堂々とした若狭は気持ち良さそうに高座で話し続ける。

遠足の弁当。ワクワクして開けたら、中には越前蕎麦が入っていた。他の容器に大根おろし、鰹節、刻みネギ、そばつゆを入れてあるので、それを掛けて食べなさい、とメッセージ付きの弁当。
これ最初見た時はビックリしたわ(笑)弁当に蕎麦?しかもそばつゆ付き。糸子の型破りな思考に笑ったけど、喜代美にしてみれば文句も言いたかろう。
帰って早速、母親にクレームつけようとしたら、目じりが赤く被れている。
被れているのに「赤いアイシャドウでお色気ムンムンや」と笑う糸子に、さっきまで怒っていた事も何処へやら、思わすプッと吹き出す喜代美。

若狭の愛宕山、かわらけ投げの部分に差し掛かる。

糸子と投げたかわらけ。祖父の死を悲しんだ喜代美と、喜代美を心配する糸子が二人で投げたかわらけ。
糸子は大きな声でひとつずつ、かわらけを投げる。
「喜代美が笑ってくれますように。」
「喜代美が幸せでありますように。」
喜代美の為に、願いを込めて投げる糸子。母の姿を見つめる喜代美。

「喜代美が~」と投げたのは、かわらけでなく財布だった。
えらいこっちゃ~と慌てふためく糸子に、まるで愛宕山の一八の様だと笑い出す喜代美。正太郎の死以来、初めて喜代美が笑った。喜代美の笑顔を見た糸子の顔もほころぶ。
「喜代美が笑ろ~たぁ」と、涙を流して喜代美を抱き締めた糸子。

若狭の愛宕山は終わりに近づく。若狭の気迫のこもった喋りに、客席は笑いに包まれた。
全て話し終わり、深々と頭を下げる徒然亭若狭。若狭の高座をじっと見守ってきた、兄弟子達の顔も笑顔だ。
若狭は顔を上げた。
その若狭、いや喜代美の口から出た言葉は・・・。

「本日は、私の最後の高座にお付き合い頂きまして、有難うございました。」

突然の引退宣言?
誰も知らされていない、喜代美の引退発言とも取れる内容に、どよめく客席。
兄弟子達の間にも、喜代美の爆弾発言に戸惑いの空気が流れる。
喜代美は再び、客席に向かって深々と頭を下げた。

楽屋で草々にどやされる喜代美。だが喜代美の表情には、その草々の怒りも受け流している節が見られる。脳内でスルーしてるのか喜代美ってば。そんな表情するって事は、怒られるのは重々承知の上だな。
「今迄の修行、全部無駄にする気か!」と、怒りに震える草々。先刻、高座で喜代美が爆弾発言をしてた時、全く表情を変えていなかった草々だけど、あれは怒りを溜め込んでいたのか。
草々をなだめつつ、草原が喜代美に言う。愛宕山の出来を褒める草原に対し、礼を言う喜代美。
あれだけ出来たら大したもの、それだけに解せない。勿体無いではないか。
そう問いかける草原に、喜代美はあっさりと言う。
「ほやかて、見つけてしもうたんですもん。」
兄さんに対する口の利き方としては、ちょっと微妙なニュアンスも感じるが、喜代美は落語を辞めてまでやりたい事を見つけた。そういう意味なのか。
自分のなりたいものを見つけたと、草々に言う喜代美。

程なく糸子が楽屋に駆け込んできた。止めようとする正典を振り切る。糸子も怒りが収まらない。勝手に引退宣言をした喜代美に対し、「あんた何を考えとんのや!」と怒る。
「そんな勝手な言い分は許さない、ちゃんと修行続けなさい。」と怒る糸子に対し、喜代美は真っ直ぐ向き直る。
「お母ちゃん」と喜代美は呼びかけた。
糸子は言う「何やの!」
「ごめんな」と喜代美は謝った。
「謝る位やったら、初めから可笑しな事言いなんな!」
だが、喜代美が謝ったのは引退宣言の事ではなかった。」

小浜出る時、酷い事言うてごめんな。

18の春、小浜に居ろと言う母に「嫌だ」と言い張った喜代美。
その理由を聞かれ「お母ちゃんみたいになりたくないの!」と言い放ち、母を深く傷つけた、あの日・・・。

あの18歳の春の事を、今、喜代美は糸子に詫びる。それは今、母の存在がどういうものか、ようやく解ったからだった。
喜代美の姿に、あの日の事を思い出す和田家の人々。喜代美はあの直後、正典に殴られた。糸子に謝れと怒られた。その光景を間近に見ていたから、和田家の人々の表情は複雑だった。
18の喜代美には見えなかった母の仕事。家族の心配ばかりして、世話を焼いて、自分の事は後回しにして・・・つまらない脇役人生だと思っていた。
でも30過ぎた喜代美には、母の役割が解る。太陽みたいに、いつも周りを照らしてくれている。お箸が無いと御飯が食べられない様に、母は家族にとって、無くてはならない名脇役なのだ。

それが、どれだけ豊かな人生なのか解ったんや。

喜代美の言葉に、糸子の心が揺さぶられる。喜代美が大きく成長した姿を目の当たりにして、糸子の思いもこみ上げる。
喜代美は母に言う。

お母ちゃん、有難う。お腹の中に居る時から、大事に大事にしてくれて・・・有難う。

喜代美の素直な心が、糸子に真っ直ぐに伝わる。
糸子さんの「何を言うとんのやな、この子は・・・この子は!」と言いながら、喜代美の頬を包む姿、涙を流す姿・・・。
こんな風に、素直に親に感謝出来る喜代美はスゴイと思うし、糸子みたいに子供を愛せるお母ちゃんもすごいと思えた。
更に「お母ちゃんみたいになりたいんや」と喜代美は言う。母、糸子のやっている事に誇りを見出した喜代美のなりたいもの、それは自分が周囲を明るく照らす母親の様な存在。徒然亭のおかみとして、多くの弟子達の母親的存在として。
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テーマ:ちりとてちん - ジャンル:テレビ・ラジオ



















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