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【ちりとてちん「地獄の沙汰もネタ次第」#106】

常打ち小屋を作りたい。
弟子達の前で自分の思いを告げると、そのまま部屋に戻った草若。
志保の写真を見ながら、師匠は何を思うのか。時折襲ってくる苦痛に顔を歪める草若。
糸子が草若の処に来た。やはり見ていられなくなったのだろうか。
障子を閉めて糸子が言う。
入院してほしい、お願いします、と真剣な表情で言う糸子。でも草若は「やらなければならない事がある」と言う。
そんな草若に対し、糸子は言う。
何かをやってないと怖いから、そんな風に次から次へと動いているのではないのか。

草若に言った糸子の一言は図星だった。
「かないまへんな奥さんには。」
糸子の勘は、草若の本当の心を見透かしていた。

草若が絡む、かつての常打ち小屋の事情を知らない喜代美は草々に訊ねる。喜代美が入門する三年前に起こった出来事を説明する草々。
何が師匠をそうさせていたんだろう。周囲が止めるのも聞かず、一人で動き回っていた挙句、見つけたFPには金を持ち逃げされて・・・。
FPとかBPとか聴くと、つい前作を思い出してしまう。
どうしても作りたかった事情は、今後説明されるんだろうな多分。

草若は糸子に「地獄八景亡者戯」の概略を話す。
地獄を楽しい所と考えた昔の人の気持ちが、今の自分には良く理解出来る。死ぬのは怖い事じゃない。地獄は楽しい処、そういう風に思わないと耐えられない。
マトモに向き合ったら、怖くて怖くて・・・。
「みっともない男やて思いはりますか?」
師匠の言葉に糸子の目が潤む。
陽気なお囃子に送られて、地獄までの道中を笑って行きたい。だから思い残す事のない様にしたい。
涙を堪える糸子・・・。

糸子は帰らなくていいのか~と思っていたけど、師匠が本心を吐き出せるのは今、糸子だけしか居ない。
師匠の気持ちが楽になる為には、糸子は大阪に居てくれた方がいいのかもしれない。
でも小浜には、ちゃんと説明してるんだろうか?していないんだねやっぱり。
小梅の電話を謝りつつ切っていたけど、特に正典には、きちんと説明した方がいいと思う。
糸子の思う事を、ちゃんと説明すれば正典も小梅も解ってくれそうな気はする。
黙ったままだと変な誤解しか生まないんじゃないかと、ちょっと気懸かりだ。

弟子達は寝床で常打ち小屋の話をする。説明してくれたお陰で、常打ち小屋があれば、どれだけ落語家にとって有利なのかは解った。
テレビでは伝わり辛い面白さを、多くの人が生の落語に触れる事によって伝えたい。
これは落語に限った事じゃないけど、生の魅力ってのは確かにある。現場で見ると感動の度合いが違うもんね。
熊五郎が「解るで、同じエンターティナーとして。」なんて言うてるけど、熊はん最近歌ってる処見せてくれんなぁ。観たいなぁ(笑)

いくら噺家が口から口へと伝えても、聴いてくれる者が居なかったら、本当の意味で伝わった事にはならない。
磯七の言葉に「其処が伝統芸能の難しい処です。」と厳しい顔の小草若が言う。
これは敢えて小草若に言わせてるんだろうか。何となくそう思った。

そして喜代美ったら、未だにウジウジ言ってるのか。
喜代美の洞察力の浅さに溜息が出そうになる。少しは成長してるのかと思いきや、またも浅い考えを皆の前でぶちまけ、ひとりで悩む。
高校の頃の喜代美が悩む姿には同感出来たけど、流石に20代半ばで進歩が全く見られないのは、ちょっとイタイ。
どんくさい、何の芸も無い子を弟子にして、失敗したと思うてるんやないか・・・って、考え方が進歩してないやん。
以前、夫婦落語会の後で「高校生の頃と何も変わってない、脇役のビーコや」って言ってたけど、あの後順子に"人生の主役とは"を言われて、ようやく気づいていた喜代美。
未だに進歩しない喜代美の考え方を見てると、脇役になる事を無意識に望んでる様にしか見えない。自分から隅の方を歩こうとしてる。熊五郎も流石に呆れている。
誰か、この阿呆にビシッと言うてやり~と思っていたら、すかさず四草が言った。
「自意識過剰や、師匠がお前の事ばかり考えてる訳ないやろ」

全く四草の言う通りだ。喜代美は師匠がどういう人物なのか、未だに理解していないとしか思えない。
多少キツかろうが、もし順子があの場に居ても、四草並みの事を言ってただろうと思う。
鞍馬に常打ち小屋の件で必死に頼む草若。残された時間を考えると、無理だろうと何だろうと、悠長な事を言ってる場合ではない。
自分も土地家屋を売って、資金の一部を用意する・・・そこまで言う草若に、鞍馬が出した条件は、師弟落語会で草若と若狭が演じ、それを客が面白いと思ったら考えてもいい、というものだった。
鞍馬も、いつにない草若の態度を見て、少し譲歩したんだろうか。土地家屋まで売るって只事じゃないもんな。

草若から師弟落語会の事を聞き、草々は喜び、喜代美は戸惑う。自分でいいのか、と言う喜代美だけど、鞍馬直々のご指名だからいいんだよ。
他の弟子達もやった事がないんだから、大抜擢だな~。良かったではないか。
師匠のネタは地獄八景と聞き、草々が目を輝かす。久しぶりですねぇ~と言う草々、何だか嬉しそうだよ。
青木君は、徐々に草々と同化して来ている様に見える。
最近観てたら、演じてると言うよりも、草々そのものが其処に居るかの様に見えるわ。

私は何にしよう・・・と迷う喜代美に、草若は「早く創作落語のネタを作らなければ、間に合わない」と言う。
草々が喜代美の代弁をするかの様に「ココはよう稽古を積んだ・・・」と言い掛けるが、草若は草々の言葉を遮る。
喜代美は自分の中のモヤモヤした気持ちを、遂に草若にぶつけた。
私はそんなに古典に向いてないのか?自分だって色んな事に挑戦してみたいけど、そんなに器用な人間じゃない。それは師匠だって判っているのではないのか?
「師匠は私に、落語を辞めさせたいんですか?」
喜代美は草若に問う。

んな訳ないじゃん~。でも草若も喜代美に、もう少しヒントを与えていても良かったのにな。喜代美の何処を見て、創作に挑戦してみる様に言ったのかを話せば、喜代美も少しは理解出来ていたかもしれない。でもそれって甘いのかな。自分で考えろって事なのかな。けど「創作せぇ」の一言だけでは、喜代美はただ戸惑うだけだった。

激しい痛みが師匠を襲う。
堪える草若、その様子がおかしい事に気付く草々。
苦痛に耐えながら草若が言う。

若狭に落語を続けさせたい。女が落語をやっていこうと思ったら、男以上に大変だ。だから男と同じ事をやっていては、食べていく事が出来ない。若狭みたいな不器用な子に古典を教えるだけではダメだ。この道で生きていける術を身に付けさせてあげなければ・・・。

そう言って、師匠が倒れた。

師匠は草原の言う通り、もっと大きなモノの見方をしていた。自分が居なくなっても弟子達が落語で生活出来る様にと、常打ち小屋の建設に必死なのかもしれない。
そして、自他共に認める不器用な若狭の為には、創作という道で確立してほしいと願う草若。
そんな師匠の気持ちに涙が出てくる。今週は観てるのも、感想書くのもかなり辛い。

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【ちりとてちん「地獄の沙汰もネタ次第」#105】

創作落語じゃ師匠の落語を受け継ぐ事が出来ない。
そう訴える喜代美だけど、草若は「言う事を聞かないなら破門。」と喜代美に言い残す。
そんなやり取りを聞いている糸子。その表情を見てたら、やりきれない気分になってしまう。
事実を知ってるのは糸子さんだけ。口止めされているから、言いたくても言えない。糸子には何も出来ない。ただ見守るだけ・・・。

でも喜代美、古典落語を練習して、芸風を真似る事が「受け継ぐ」って思ってるんか。それって先日、尊建が草々に言ってた「只のコピーや、物真似や!」になるだけじゃないんだろうか・・・って気がするけどな。
受け継ぐってのは、その精神とか、姿勢なんじゃないのか?創作、古典を問わずに。

そんな重苦しい展開を和らげてくれるのが、落語再現シーン。
今日は友春が若旦那だ。劇中劇でもアホぼんなんだが(笑)。フグを食べて当たって死んだ、地獄ツアーご一行様・・・って(笑)しかし、楽しそうな落語の世界の地獄だ。

草原に、「師匠は自分を見放したんだろうか」と相談する喜代美。言う事を聞かないと破門とまで言われた事には、さすがに草原も少し驚いていた。
喜代美は本当の事を知らないから、今の草若に戸惑う気持ちはよく判る。しょぼくれる喜代美に言った草原の言葉は、なかなか説得力があった。
入門から5年以上も、この家に住む事を許されているのは喜代美だけ。
他の弟子から見れば羨ましく思えるのかもしれない。
ちょっと視点を変えるきっかけを草原が作ってくれた。だから喜代美の表情に笑顔が戻る。

セミの亡骸を手に取り、じっと見つめる草若。それはいずれ訪れる、自らの最後を重ねているのだろうか。そんな師匠を見ていたら涙が出てきた。
買い物から戻った糸子が見たものは、蝉の墓に線香を立て、スコップでならす草若の姿。草若は「地獄八景亡者戯」を一人で話す。ボソボソと一人で喋る草若。

喜代美が初めてこの家に来た時も、草若は庭にしゃがんで愛宕山をやっていた。
あの時と同じ様に、ボソボソと呟くように話す姿を、今度は糸子が見ている。
草若の丸まった背中に溢れる寂寥感は、まだやり残した事が沢山あるから死にたくない、って無言で言ってる様にも見えて・・・。

糸子は離れに居候してるのか。壁をぶち抜いてるから、三人で寝る位どうにかなるのか。しかし草々は(ピー)じゃないのだろうか・・・と下世話な事を考えてしまうよ。
佐々木すみ江さんが青木君の事をスタパでベタ褒めしていたが、「篤姫」の菊本様もちりとてちんがお気に入りだそうですよ。
以前有った壁が無くなったのは何故?と素朴な疑問を娘にぶつける糸子。そんな質問にテレまくる草々と喜代美。
何か有る、とは感じていても、それが何なのかは判らない糸子だ。
糸子の言葉で、プロポーズのあの日の事を思い出す二人。テレまくりですな(笑)。
しかし喜代美といいミツといい「お前は俺の故郷や」と草々に言われ、勘助には「ワシの城だ」なんて言われて果報者じゃの(笑)。

そこに現れる草若。草若の用件は「近日中に此処を出て行って欲しい」だった。内弟子部屋にいつまでも住まわせる訳にはいかない。
何処となく突き放した様な言い方の草若だ。事情を知ってる糸子には判るが、喜代美はまたも、自分が見放されたかの様な気分になってしまう。
糸子の表情が、何とも言えなかった。

翌日、弟子達を全員集め、草若が切り出した話は「常打ち小屋を作りたい」という事だった。その話の内容に、険しい表情の弟子達。
四草が真っ先に口を開く。
「失礼ですけど、まだ懲りてはらへんのですか?」
険しいままの四草に、更に険しい草々がたしなめる。でもそれは事実、今のこの時世に落語の常打ち小屋は厳しい。
そう思うから皆険しいのだろう。まして前は借金までこしらえてしまい、天狗芸能に肩代わりしてもらう状態だった。
前と同じ轍は踏めない。だから今度は、弟子達にも先に相談しているし、天狗芸能にも相談するつもりだと言う草若。
しかし草若の話は、何処か無理がある・・・そう思うから草原が草若を止めようとしていたのだろう。
今も落語の人気は無い、以前と状況が変わってるとも思えない。だから今相談しても、返ってくる答えは変わらないのではないか。

草若自身も判っている事だけど、でももう自分には残された時間が僅かしかない。
明らかに焦っているのが判る師匠と、師匠の発言に漠然と不安を感じる喜代美。
そして草若が何故急ぐのか・・・たったひとりだけ、その本心を知る糸子。
三者三様の思いが巡る内容だった。

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