観たい歌い手のを全部見たのでカキコ。

Gackt・・・。いやもうアレは、上杉政虎のPVだと思って観ていました。
何が出てくるのかと思っていたけど、半端じゃない数の、大勢の兵に囲まれて歌う政虎様。しかも風林火山のシーンが沢山挿入されているよ〜これはウレシイ。
昼間、風林火山の総集編見た時に、随分と景虎(政虎)のシーンが多いな〜と思っていたけど、実はここに繋がっていたのかな。
私はドラマの景虎様が好きだったので、此処まで徹底してくれたのは良かったんだけど、逆にGacktそのものが好きな人はどうだったのか、余計な心配までしてしまいました。

音が聞え難い感じだったのが残念でしたが、ビジュアルは見事な迄に美しかったです。
いいもの見させてもらいました。ありがとう。

そして、「夜桜お七」で舞った早乙女太一も。うは〜無茶苦茶綺麗〜。
氏政様の女形、色っぽくて見とれていました。これは生で観れた人が羨ましいです。
あみんはすっかり大人ですね。落ち着いた雰囲気の白いドレスが素敵でした。
そして米米は・・・だいぶ印象が変わったな〜と思いました。歌は変わってないのですが。

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ガックンと米米と、あみんが観れたらそれでイイや・・・と思っていた紅白だけど、坂本冬美の時に早乙女太一の出番があると知って「じゃそれも観なきゃ。」と、脳内で追加。

早乙女君は風林火山で知った。北条親子の舞うシーンはキレイだな・・・と思いながら観てたけど、「夜桜お七」で舞う姿はきっと、凄く華やかなんだろうな。普段、演歌は全く聴かないんだけど、この歌だけは好きなんだよね。
坂本冬美がその昔、ROCKIN'ON JAPANの表紙に、HISのメンバーとしてセーラー服姿で載ってた時は、流石にビックリしたが、それも懐かしい思い出だったりする。

話が逸れてしまったけど、これでまた紅白の楽しみが増えた♪

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【ちりとてちん「時は鐘なり」#77】
遂にこの日が来ようとは・・・。いやもうホント、毎日毎日、ハラハラする思いで眺めていましたよ。
果てしなき闇の彼方には、いつかきっと明るい光が有ると信じていたのに。
嗚呼、君の恋は何処までも苦しくて、優しくて、切なくて。

今日の名シーンは、完全に失恋した小草若を「奢りますよ」と癒す四草。それに対し、フッと溜息混じりの小草若。
他に何処が有るってんの?え?まさか、壁の蹴破り&抱擁なんて事、アタシが言う訳ないじゃん(笑)
大体あの二人は何?空気読めって言葉知らんのか??大勢の前で、そんな痴話喧嘩なんかしてるんじゃないわよ全くもう。そんなにやりたきゃ先週みたいに、京都の北の方の廃屋にでも行って、二人の世界を繰り広げてくれりゃいいのによっ。

今日の喜代美見てたら、清海に八つ当たりした時の事思い出した。あの喜代美は好かんやったけど、今日の喜代美も好かんわ(一部分だけね)。
大体何だあの態度。皆が祝ってくれてるんだよアンタの事を。それを「落語家なんかならんかったら良かった」だと?はぁ?何言ってんの?
磯七なんて「若狭の独演会見るまでは死なれん」って泣いて喜んでくれてるのに。そういう人の気持ち、少しは解らんかね全くこのこのバカタレが。大体「人生のど真ん中歩いていきたい」っつーたの、喜代美やろうが。
アタシが正典なら、ブン殴ってるぞホントに。

恋に落ちると、その人の事しか見えないんよね、喜代美は。だから見当違いの子供レベルの八つ当たりをする。でも其処が喜代美らしい処でもある。
小動物みたいな可愛らしさもあるけど、言動も子供だから始末に終えない。
草々兄さんだって、此処に住めと言うたやないですか!それを今度は出て行けやなんて、ひどいやないですか・・・って、だからさ〜兄弟子として言ってるっつーのに。
草々は「年季明けやからしゃーないやろが!」と言う。その通りだ喜代美。と言っても朝からどん底の喜代美には、そんな言葉なんか耳に入らない。

草々の所為で最悪の誕生日だと泣き叫ぶ喜代美。そんなん草々に八つ当たりしても困るやろ?
もう子供の癇癪みたいで、手が付けられない。
草々だって次第に頭に来る。っつか、こっちも子供みたいな処あるからなぁ。

座布団を捨てた事を詰る喜代美。捨てたのを勝手に拾って縫ったのはお前だ、と言う草々。それに対し、座布団は草々の"ふるさと"だと思ったからや!と更に泣き叫ぶ喜代美。

「お前が勝手に思ったんやろ」と言う草々。うん一理あるね。でも、あっさり捨てる草々も、どうかと思うな(笑)
要らないのなら、あの時そう言うてくれたら良かったんです。ワザと人の誕生日に捨てるなんて!と言う喜代美。

このバカチンに、張り手食らわせてもよかですか(笑)。

「お前の誕生日なんか知らんっちゅうねん!」と草々。
大体、喜代美は少し自意識過剰じゃないのか??喜代美の誕生日覚えていたのって、小草若だけじゃないの?後は皆、忘れているみたいだぞ(笑)

そして痴話喧嘩モードへと突入(笑)
喜代美が言う。「何で捨てたりしたんですか?」と。そこで遂に、草々が本音を吐き出し始めた。

「見たくないからや!」

喜代美、未だ理解してない。「はぁ?」

「お前が出て行ってしまうのに、お前が縫った座布団なんか見て暮らしたくないからや!」

ここで見せた、小草若の呆然とした表情にもらい泣きしそうになった。
自分の恋が終わった瞬間なんだよな・・・。好きな女の前で、自分じゃない他の男が、愛を告白してるんだもんね。

草々、もう止まらない。いそいそと引越しの準備なんかしやがって、と嫉妬剥き出し(笑)。
喜代美は答える。いそいそなんかしていない。私も見えない。壁の向こうで草々兄さんが何を考えてるのか。壁が邪魔で何も見えない。

草々は自分で「兄弟子」という壁を作って喜代美に接していたから、見える筈が無い。

ここから先は告白タイム(笑)でも除夜の鐘に邪魔され、全部言えない二人。
もうずっと鐘が鳴ってればいいのにフフ。

告白モードに、空気を読める大人達は徐々に退散。磯七はお暇しよ、と言い、草原は家族に初日の出を見せてあげなければと言い、菊江は鏡餅を飾らなければ、と退散。
四草は「平兵衛とカウントダウンしよ。」とボソリと呟き、咲は「ボチボチ片付けさせてもらうわ。」と。
四草の言葉に、ウチは家族で爆笑しましたわ(笑)

そして小草若は黙って出て行く。
何か、すっかり場が白んでいる様な・・・それぞれが空気読んで、その場から立ち去ったんだけど、これで祝賀ムードは吹っ飛んだわね。

最後に出て行く草若が「解ってると思うけど、内弟子期間中は恋愛禁止やで。」と二人に言い残し出て行く。
これがニヤニヤしながらならイイんだけど、何とも言えない表情だからな〜。あの表情の裏に隠された意味は何だろ。息子を思って?それとも場を壊した二人への、戒めの意味を込めた表情?
草若は言葉にしないから、解り難いわ全く。

喜代美と草々も、自分の部屋でそれぞれ黙って除夜の鐘を聞く。
鐘の音が響く。

和田家の風景も描かれていたけど、コタツにみかん、紅白・・・って、古き良き日本の風景みたいで温かくてよかった。
「ひろし〜ひろし〜」と、出番を気にする糸子さんが超かわいい〜♪

小草若は神社の鳥居の下にひとり座り込んでいた。
そこに現れる四草。小草若の隣に座り一言。

「僕の勝ちでしたね。」

小草若が答える。「年越し蕎麦やろ?」
小草若を見て一言だけ言う四草。

「おごりますよ。」

失恋した小草若に、余計な慰めの言葉なんか掛けない。そんな四草の気遣いにも泣けた。アンタ達本当は仲良しやろ。
"漢"同士の心の交流。今日一番の秀逸なシーンだと、本気(と書いてマジ)思った。
しかし賭けていたとは・・・賭けを先に持ちかけたのは、勿論四草だよな〜。

壁をハンマーで壊し、終いには蹴破る草々。自分の家ならともかく、内弟子部屋って草若のモノだよね?破壊して大丈夫なのか??
まぁアレって、自分の心の壁を破壊する草々を比喩したものだろうけど、それにしても凄すぎる。
実の息子同然だから、家を破壊しても無問題・・・なんて思ってはいないよな、幾ら何でも(笑)
「今日からお前が、俺の"ふるさと"や。」と言い、喜代美を抱き締める草々。
ここでBGMに熊五郎さんの「寝床」を流してくれたら、神様と呼べたのに(笑)
朝っぱらから、最悪の誕生日や〜と勝手に落ち込んでいたけど、結局喜代美にとっては、人生最高の誕生日となった訳だ。

しかしあれだけヒス起こす喜代美が、草々と一緒に暮らして穏やかな家庭を築ける・・・筈もなさそうな予感。
奈津子の「肉じゃが女」の指先は、喜代美?それとも誰?
小草若が「萌えるなぁ」とか言ってるけど、うん確かに(笑)アタシは隣の四草の礼服姿に萌えるよ〜ん。

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半落ち
こっちは映画版。TBSで昨晩放送していたので観てみた。つい最近、テレ朝版を見たばかりなので記憶に新しい。寺尾聡(梶)、柴田恭兵(志木)、伊原剛志(佐瀬)というキャスティング。志木役と佐瀬役は、広告等で配役を見た時「微妙・・・」って思っていた。でも動く姿を見たら、これが実にハマっている。写真と映像は違うと、改めて思い知らされた。ゴメンナサイ・・・。
映画版だけあって面白い。小説を読んでると多少の物足りなさは否めないけど、それでもほぼ忠実に作られている。
新聞記者の中尾洋子が小説では中尾洋平だったけど、原作通りだと、女っ気が殆ど無い話になるから仕方無いのかな。でも佐瀬に夜討ち掛けるシーンで、酔っ払った佐瀬に「よし!入れ」と家に引き込まれる洋子を見た時は、どうしても妙な気を回してしまう。やっぱこれは、男の方が良かったなぁ。
骨髄移植を受けた青年・池上役は高橋一生。あれ、この顔見覚えがある・・・あっそうか、風林火山の駒井だ〜なんて思いながら見ていた。ほんの数年前なのに、この頃は未だあどけなさの残る顔立ち。一生懸命に生き、梶に感謝する好青年を上手く演じていた。
キャスティングは良かったし内容もいい。でもやっぱりこれは小説を読むと、もっと泣けると思う。


半落ち (講談社文庫)半落ち (講談社文庫)
(2005/09)
横山 秀夫

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紅白の曲順が発表された。
順番発表してくれるのは有り難い。どうしても見たくない歌手も居るしな〜。
今年一番気になるのは、Gackt景虎様の順番。「何処だろう」と思ってたら、紅組の対抗馬は小林幸子。
何でだろう・・・と考えたけど、セットが凄いからなのか??
小林幸子のセットも凄いが、それに対抗出来る程凄いのか。
ニッカンの記事に「局内で最大級のスタジオに組んだ同ドラマのセット前で歌う演出」って記事が有った時は、流し読みしてたけど、本当なのかと思えてきた。
ドラマで使ったセットって?妻女山の上杉本陣?

ま、いいか。当日までのお楽しみやね(笑)
でも派手ハデなのよりは、渋めの色合いのセットで見てみたいものだ。

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【ちりとてちん「時は鐘なり」#76】
年末の徒然亭草若の家。弟子達は皆揃って大掃除。それぞれ手拭を頭に被り、草原と四草は雑巾がけ。二人で競うのだけど、草原が途中でダウン。それを見た四草が一言。

「勝った。」

この二人、何を賭けていたのか気になるんだが、やはりきつねうどんなんだろうか。草原は四草に奢ってばっかりなのか(笑)可哀想に。ところで草々は何処を掃除してるんだろう。

喜代美は窓ガラスを磨く。引っ越し先が決まらないので浮かない顔だ。そこへハタキを手にした小草若が。
これか〜姉様被りの小草若は。赤地に白の水玉なんだけど、これは元は何の布地なんだろう。手拭ではなさそうだし・・・。
小草若も喜代美の住む所は気にかけている。まだ見つからないと言う喜代美に、自分のマンションに来ないかと言う。
変な意味は無いって言うけど、男女のルームシェア、しかも男は女に気がある・・・って状態で、単なるルームシェアとして成立するのか疑問。だけどそれは、小草若なりの親切心なのかな。
「ルームシェアなんて、外国ではあったりまえの話」と必死に、冷静な申し出を装う小草若がちょっと哀しい。本当に、喜代美の事が好きなのね。しかし小草若って、何気に色んな事を知ってるなぁ。
ベッドルームふたつある部屋?一体どれくらいの広さがあるんだろう。4LDKぐらいかな。多分、5人家族でも余裕のスペースかもしれない。

本心を言えば、マンションのローンが厳しいから、喜代美に負担してもらえると助かると言う小草若。確かにそういう風に言えば、喜代美の心の負担も少しは楽だ。
でも小草若の本当の"本心"は、喜代美と共に暮らしたい方が強いんじゃないか、と思えてならない。
変な意味じゃなくて、ただ傍に居て欲しいみたいな。喜代美が居るだけで気持ちが安らぐんだろうな、小草若にとっては。
まぁ本当に、ローンの件が小草若の本心なのかもしれないけど、更に裏を読んでしまうのは、私に奈津子並のウラ読み習性が有るので勘弁(笑)

菊江に小草若の申し出の件を相談する喜代美。草々の気持ちを確かめてみたら?と菊江は喜代美に言い、喜代美の事が好きだったら草々は慌てて止める筈、と咲が言う。
う〜ん、これはどうかな、と見た瞬間思った。熊五郎みたいな人なら慌てて止めるだろう。でも今の草々なら止めないんじゃないか。己の気持ちを押し殺してでも、喜代美がそれでいいと思うなら、好きにしろ、って言うんじゃないかと思った。

夕方、台所に居る喜代美。そこに通りかかる草々。草々の姿に、咲に言われた言葉を思い出す喜代美。
「あの・・・」と言いかけた喜代美に草々が言う。

「どうするつもりや。」

住む所、未だ見つからないのかと訊ねる草々に、「ええ」と頷く喜代美。
そして喜代美は、小草若の処に来ないかという申し出の一件を草々に話す。草々の表情が驚きに変わる。
そりゃそうだわな〜気になるあの子が男と同居だもん。いくら"下心は無い"って言い張っても、小草若が喜代美の事をどう思ってるか位は、草々も判ってるだろうし。

どうしたらいいと思ってる?と草々に訊ねる喜代美。目を潤ませる喜代美。止めて欲しいという思いが、全身から溢れる喜代美に背を向ける草々。

若狭も小草若も、二人にはいい落語家になって欲しい。その為にお互いが必要だと思うなら、いいのでは?

喜代美を見る草々。喜代美の心が激しく震える。泣き出したい思いを必死に堪える。
草々にとって自分は、何処までも「妹」・・・。

ただの妹なら、背を向けて言わないって。フツーに正面向いて、喜代美の目を見ながら言ってるよ〜。背中を向けてないと、自分の表情を見られるのが怖いんだよ草々。
昨日だって、草原や四草に不審がられていたじゃん。草々って隠し事が出来ない。スグ顔に出るでしょ(笑)

草々兄さんっていつでも、誰に対しても同じ。落語と結婚してるみたい・・・喜代美は精一杯の思いを隠しつつ草々にぶつける。
こんな事言われたら、鈍くない男なら気付きそうだが草々じゃあな・・・。

「ご意見、ありがとうございましたっ」と、ワザと馬鹿丁寧に礼を言う喜代美の目は、赤くなってる。草々の横をすり抜け外に出る喜代美、
戸惑う草々だが、何と言えばいいのか言葉が見つからない。

外に出た喜代美は、マンホールのふたに躓いて転ぶ。「痛・・・」
草々は自分の事をただの妹としか思っていない。そう思い。涙が頬を伝う。
そこに現れたのは小草若。
小草若は喜代美の姿に驚きつつもしゃがんで、地面に転んだままの喜代美と同じ視線でハンカチを差し出す。
「別嬪さんが、台無しや。」と優しく笑う小草若。

でも、そんな小草若にキュンキュンしてるのは視聴者だけなのよねェ。

喜代美を追って、草々が門の処まで来た。だが喜代美と小草若の姿に、思わず足を止めてしまう。
喜代美は涙に濡れた目で、小草若を見上げる。
「小草若兄さんの処に、お世話になってもいいですか?」と言う喜代美。その言葉に戸惑い、複雑な表情の小草若。
小草若は喜代美の心が自分に無いのを知っている。知っていて尚、同居を申し出た。
その喜代美が一緒に住んでもいいと言う。でも泣いている。泣いている理由は恐らくアイツ・・・。

小草若は判ってるから、その表情も複雑なんだ。

地面に座り込み、胡坐をかいてワザと陽気に言う小草若。
「アタリマエやがな。いつでも来たらエエ、なんぼでもおったらエエがな。」
小草若兄さん、優しすぎるよ・・・。

荷造りをする喜代美の処に現れる草若。師匠ったら、ホント面白がってるでしょ(笑)当事者の喜代美は必死なのに。大人の余裕で見つめないで下さいよ師匠。
この苦しい時期を、どんな風にジタバタして笑わせてくれるのか楽しみにしてた。でも笑えない。想像がつかない。苦しんだ先の笑顔が。

ぎょうさん笑って生きていけ―――そう言い残して正太郎は逝った。喜代美は笑って生きる為に、あれこれと奮闘し、ようやく此処まで来た。
でも今、喜代美の選ぼうとしてる道は、果たして自分の為になるのか?
草若は面白がりつつ、喜代美の道を照らしてるのではないのだろうか。道を間違えそうになる喜代美に「ちゃうで若狭、そっち行ったら笑えん。こっちがアンタの笑い道や」って。

草々は商店街の駄菓子屋でイカ串を買う。500円玉で一瓶も買うから、お花さんもびっくりしてるやん。
イカ串を齧りつつ、離れに戻れば丁度風呂から帰った喜代美と遭遇。夕方の事があるから、お互い気まずい。
草々に軽く目礼をしつつ喜代美は部屋に。草々も部屋に入り、灯りをつける。
が、二人の頭の中はお互いの事でいっぱい。壁を挟んで寄り添う二人。

喜代美が先に口を開く。「何しとんなるのですか?」と言う喜代美に、イカ串食いよると答える草々。
当て布だらけの座布団をぎゅっと抱き締め、草々が逆に訊ねる。

「オマエは?」

喜代美は草々をただひたすら想う。けどそれは決して言葉に出来ない。
「私は・・・引越しの準備してます。」

「そうか」と言う草々、座布団を抱えたまま、二人の長い夜が更けて行く・・・。


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【どうでもいい余談】

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最近じゃ審査員も事前に発表するのか、と妙な感心をしてしまった。いつからだっけね?まぁ別に良いのだけど。
紅白が楽しみだったのはいつ頃迄だったかな。Xが出てた頃までは観てたけど、あれ以降見なくなった。
自分の音楽の趣味が変わったので、紅白に出てくる歌手への興味は失せていた。

そんな紅白を久しぶりに観てみようと思ったのも、風林火山のお陰でございます。
殺陣は無くて良いのですが、景虎様の御姿で歌うガクトは是非拝見したいですね。

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【ちりとてちん「時は鐘なり」#75】
「年季が明けたら出ていかな、アカ〜ン。」と草若に言われ、年季明けの喜びも何処へやら、すっかり不安の塊と化す喜代美。だが、動揺しているのは喜代美だけでなく草々もだった。
部屋に戻り、灯りをつける喜代美は、隣の部屋と繋がった壁を見つめる。壁の向こうには草々が居る。

草々の隣に住めなくなる寂しさと、一人立ちへの不安で心配そうな喜代美、でも同じ様に壁の穴を見つめて、いずれ喜代美が居なくなる事への寂しさを感じている草々。同じ時、同じ事で互いを思う二人。
あ〜もう、若者は楽しそうでいいねっ(笑)
草々にもようやく火がついたかいな。切ない気持ちを抱えた二人の、クリスマスの夜が更けていく。
そういえば、あの「愛宕山」のカセットテープはどうなったんだろう??

翌日の夜も寝床で弟子達が集まり、呑み&食事。話題は専ら、喜代美の年季明けだ。昨日の夜、草若はあんな事言ってたけど、そう言えば草々だって内弟子部屋に住み続けている。
咲が疑問をぶつける。それに答えたのは草原と草々だった。年季明けで一度は部屋を出たけど、おかみさんの具合が悪くなった時に戻ってきた。

磯七が喜代美に、脅かすような面白がるような口調で言う。年季明けの噺家程、貧乏なものはない、と言う言葉に、最初は冗談だと思う喜代美。
だが、磯七の言葉に昔を思い出した兄弟子達、全員首をうなだれている。ええっ、そんなに悲惨なのか…!?店内のBGMが「神田川」で、一層侘しさを醸しだしてるのが笑える。
重苦しい雰囲気の兄弟子達、一番上の草原が口を開く。
「金は無い、仕事も無い。けど暇だけはある、あの辛さ。」
それでどうやって生活するのかと訊く咲、基本的には落語会の手伝いと草々が言うが、賃金が一回500円ぐらいだと。95年だよね。それだけじゃ足りなさそう。バイトしないと生活出来ないじゃん。
「勝手に女が貢いでくれるから。」とさりげなくモテ自慢?な四草は、全く参考にならんけどねフフ。

草原の話が徐々に深い処まで展開し、喜代美が怯える表情と、周囲が聞き入る様子に笑った。草原兄さん、途中から創作してるな。人里離れた村の辻・・・って、此処大阪の街中やろ???
お地蔵さんが「あと10円で電車乗れる〜」と喋った、な〜んて冗談も、今の喜代美には真実に聞こえてしまうのか。余裕無い状態なんだよね・・・。
大声で驚く喜代美と同時に、飛び上がるかの様な勢いで驚く草々、小草若、四草。
以外だったのは四草。こういう話には動じないと思っていたのだけど。腕組んで、どっしりと座っていそうな感じなんだけどな。

草原の話にすっかりビビって小さくなる喜代美、小草若がすかさず「神隠しは冗談やで」とフォローするが、四草が現実に引き戻してくれる。

「貧乏はホンマやけどな。」

これで喜代美、再び奈落の底へ。不安が更に大きくなり、泣き出しそうな表情の喜代美。そんな喜代美を、明らかに兄弟子とは違う目線で見る草々。

怒った様な表情でも、今迄とは違うんよね草々。前は喜代美に対し、全く"女"を意識してなかったけど、今の草々って、喜代美の事を、自分の意識の何処かで愛しく思ってる。けど、自分でも何故そう思うのかが判らない。そんな風に見える。

座布団を干す草々の処に草若が来る。繕った座布団を見て「若狭が縫うたんか?」と問う草若に「はい」と頷く草々。
座布団を見ながら、「アイツ出て行ったら淋しくなるな」と呟き、「な?」と同意を促すかの様な草若。
若狭の年季明けを聞いてから、草々の様子が何処かおかしい事に気付いてるね師匠。それを再確認する為の「な?」だろう、って思えた。

喜代美の部屋探しに付いて来てる草々。以前ならそんな事考えられなかっただろうに、今は喜代美の動向が気になってしょうがない。だから一緒に、新しい部屋を見ておきたいという気持ちが表れているのか。
でもしかめっ面だから、喜代美の脳内では、草々兄さんを自分の部屋探しに付き合せているから、兄さんすっかり不機嫌なのかも・・・と怯えている。怯える喜代美もメチャ可愛い♪
でもねぇ・・・草々は怒ってるんじゃなくて、喜代美が居なくなった後の、自分の気持ちの行き場所が何処なのか想像がつかないので、しかめっ面なんだと思うよ〜。
エエから早よ探せ!と一喝されて、喜代美半べそで部屋を探す。そのページには賃貸マンション・2LDKの物件が。
2LDKの文字に、喜代美は妄想の世界へ飛ぶ(笑)
ああっまた新婚さんかいな〜。朝食の支度をする喜代美は白いオーガンジーの襟?のブラウス、バラ色エプロン、キレイにメイクしてピアスも装着済(笑)。朝陽が差し込むダイニングテーブルの上には、いっぱい料理が並んでいる。(朝からそんなに食うのか?)で、その傍らに、青いガウン姿(バスローブにも見えるがどっちだろう?)で胸元をはだけさせ、新聞を読んでいる草々。何じゃこりゃ(笑)ガウンの下はハダカかいな。

2LDKの文字に、妄想を膨らませた喜代美が現実に引き戻される。こんな処に住める訳がないやろ、と言われ、すいませんと謝る喜代美。
でも月2万、トイレは共同という部屋を見に行けば、そこはボロボロで電車の音が激しい。高架下なのかな。
ガラスはヒビ割れをガムテープで修復してるし、襖はボロボロ、畳の上には新聞紙。喜代美よりもむしろ、草々の方が熱心に部屋をチェックしてるんだけどさ〜(笑)喜代美、アンタの住むところやろ???自分も、もっと真剣にチェックしなさいよ〜。
一通りチェックを終え、「次行くで」と部屋を出る草々、慌てて後を追う喜代美。

大またでザクザク歩く草々に、ちょこまかと付いていく喜代美。何か小動物系の風情なんだけど(笑)
兄さん〜待って下さい〜と半分ベソかいてる喜代美に、草々、険しい顔で「あんな物騒な処、住まわせられるか!」と鼻息も荒い。うんうん、一生懸命見てたもんね草々。

喜代美は草々の言ってる真意がわかっていないから「へ?」となる。草々慌てて、喜代美の親が心配するだろうからとごまかすが、本当は自分が心配なのだよな。
駄菓子屋で「年季明け祝いに奢ったる」と草々に言われ、「え、これが?」と一瞬思いつつ、草々の怖い表情に「どれにしようかな〜やっぱイカ串かな〜」と、愛嬌たっぷりに駄菓子を物色する喜代美。やっぱり今日は、愛玩小動物みたいな可愛らしさ全開。

ゴソゴソとイカ串を取り出し、一口かじった途端に「舌噛んだぁ」と半べそ。コドモですかアナタは(笑)
でも美味しい〜と喜ぶ喜代美に、草々の心もグイと引き付けられた模様だ。奈津子が見てたら「狙ってるやろ、喜代美ちゃん」って、言い出しかねない気がしてきた。いや絶対言う筈(笑)
純真無垢な、あどけない振りをして男をなびかせようとしてるやろ?とかね。でも喜代美に、そんな狡猾な手を使う能力は無い筈。

稽古場で草原に相談する草々。予算内では厳しそうだ、と言う草々に、草原の後ろに居た四草が言う。
「適当なオトコ掴まえて、貢がせたらエエのに。」
だから貴方の意見は例外ですがな〜。どうでもいいけど「みつがせ」を変換したら「ミツが背」と出てきた。そう言えばミツの時は、もっと顔が丸かったな貫地谷さん。

このまま離れにおいておく訳にはいかないか、と草原に相談する草々。それって自分の為だよな。自分の感情が表に出てしまったな草々。
師匠の傍から一度は離れた方が若狭の為、と言う草原に「それはそうですけど。」と語尾が強くなる草々。
それだけ思いが強いから言葉に出てくるんだよ。四草がこっち見てるやん。そして草原も草々を見てる。
草原はどうだかワカランけど、四草は完全に、草々の気持ちに気付いたと思うな。

奈津子に相談する喜代美だが、奈津子の独立直後の話に、更に愕然としてしまう。
空腹は我慢出来る、でも暇な時間は耐えられん。暇な時間に悪い事ばかり考えてしまう。
このまま食べていけるのか、と怖くなり布団にもぐるけど寝られない。ろくでもない事ばかり考えてしまう。
この奈津子の話、すごーく良く判る。

奈津子の話が脳裏に残っていたのか、喜代美は夢をみてしまう。
ボロアパートで毛布にくるまって仕事の電話を待つ喜代美。灯りも無く、寒さだけが身に染みる。仕事の電話が掛かってきた。受話器を取り、天狗座の仕事が入った事を喜びつつ倒れる喜代美。
後日、喜代美が孤独死した新聞記事が見出しに。「止められた電話握りしめ」って事は、あの電話は喜代美の幻想か。夢の中で幻想を見つつ死んでる喜代美・・・。

そんな怖い夢だから、いきなり飛び起きた喜代美。大きな声を出すから、隣の草々もビックリして心配する。
「大丈夫か、若狭。」と言う草々。フフ、以前と違うね。前なら絶対、「オマエ夜中何やってんのや」とか「何時やと思うてんのや」とか言いそうだけどね(笑)気になるんだね。

喜代美は言う。家賃は払うから、此処に居ては駄目だろうか。一人になるのが怖い。
一人が怖い、は草々もうわ言で言ってたな。喜代美は一人暮らしの経験が一度も無いから、不安が大きいんだろうね。
でも草々は兄弟子として言う。一人前の落語家になりたいのなら誰もが通る道だ、と。
兄弟子として言うてる、と言いつつ、複雑な感情を抑えている草々。喜代美は未だ、草々の気持ちに気付いていない。
兄弟子と妹弟子、果てしなく遠い距離に感じているけど、遠くに思えていても、実はすぐ其処まで近づいているのよホホホ。いいわね若者は(笑)

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【ちりとてちん「時は鐘なり」#74】
若狭の高座も無事に終え、次は四草。
いきなり中国語で挨拶。戸惑う客席を尻目に「今日は中国語で、崇徳院と言う話をやらせて頂きたいと思います。」と言う四草。
客席騒然、だが四草は顔色ひとつ変えず、マイクに顔を近づけ、上目遣いで観客を見ながら一言。

「嘘やっちゅうねん。」

うは〜やられた。これには朝から騙された(笑)。中国語版の落語を聴いてみたいとは思ったけど、それはTVだからであって、ナマで聞く現場ならサッパリ判らんよねぇ。
そして「嘘やっちゅうねん」と、観客を相手にしても"しれ〜っ"としてる四草に笑った。

小草若が「鴻池の犬」をやると聞いてザワつく客席。それにすかさずツッコミを入れる小草若。
「何ビックリしてはりまんねん、寿限無だけやと思うたら大間違いでっせ〜」と客を笑わせる。枕の話し方の流暢さを見てると、本物の落語家に見えてしまう。本職は狂言師、伝統芸能の世界は共通性が有るのでしょうか。
枕の流暢さは何処へやら、下手に演じる「鴻池の犬」だったけど、フツーにやったらかなり上手いだろうなと思えた小草若兄さんでした。

小草若の落語を聴きながら、涙で顔がグシャグシャの草々。草々は言い方はキツイし偉そうに言ってばかりで、すぐに小草若と喧嘩になっていた。けど、一番近い"兄弟"だから、草若師匠の実の息子だったから、それだけ気になる存在だった。
そんな小草若が「寿限無」以外の落語を、下手ながらも一生懸命に話している。弟の奮闘振りを見て、色々とこみ上げる思いがあるからこそ大泣きしていたのかもしれない。

草々の出番が近づく。
座布団が取り替えられるのを見て、はっとする喜代美。自分が繕ったけど、草々に渡しそびれたあの座布団が其処にある。草々の背中を見る喜代美。
ヒグラシの紋が入った羽織の背中が、出番に向け気持ちを集中させる。
ピーンと張り詰めた様な空気に包まれ、高座に向かう草々の背中を、小草若がポンッと叩いて気合を入れる。
おお、これは何ていいシーンなんだ。目から汗が出てくるよ。さっき泣いてた草々、背中叩く小草若。喧嘩ばかりの関係から、変化してきたって事なのかな。

草々の演目は辻占茶屋。六年前、師匠の穴埋めをしようと試みた時は失敗したけど、今日は違う。
堂々と話している草々。陰で心配そうに草々を見守る、柳眉と尊建。尊建が拳をぎゅっと握りしめ、口を一文字にして見守る。柳眉は兄の様な眼差しで草々の高座を見守る。
ライバル二人の、それぞれの思いが垣間見える。

中入り。楽屋でお茶を入れる喜代美に草々が言う。
「待ち針刺さってたぞ!」と言う草々に、狼狽する喜代美。
すいませんと謝る喜代美に「ウソや」と笑顔の草々が礼を言う。「ありがとう。」

その言葉に、喜代美の顔が笑顔になる。貫地谷さんの満面の笑み、この表情って愛嬌あって好きなんですよねぇ。

中入り後、草原の演目は「蛸芝居」だ。思う存分演じる草原に客席は大笑い、緑は夫の姿に目を潤ませつつ、笑顔で小さく何度も頷き、拍手を送る。
これは泣けた。サラリーマン時代、暗い顔をしていた草原が今、大好きな落語を演じ客席を沸かせている。何度も映る緑さんの表情が、本当に嬉しそう。そんな姿を見ていたら、またも目から汗が出そうになった。今週は面白いぞ「ちりとてちん」。

最後は草若。袖で見守る草若のライバル、柳宝と尊徳。
草若の枕は6年前の志保の件だった。当時、一門会をすっぽかした事を詫びる草若。
話の内容にしんみりする客席、鞍馬の眉がピクリと動く。
枕が深刻なネタで、客が笑っていないからだろうか。でも草若の枕は其処では終わらない。
余命三ヶ月と聞かされビックリ、一刻も早く嫁さんにパンツの置き場所を聞かなあかん、通帳、印鑑・・・へそくりが有るなら、その場所も・・・という内容で客を笑わせ、「愛宕山」を話しはじめる。
一門会は大成功、拍手の嵐の中、5人の弟子達と草若師匠が深々と頭を下げる。
幕が下りて袖に下がると、其処には鞍馬が居た。

鞍馬が草若に向かって、黙って頷く姿にジーンと来た。この人ってホント、口は悪いが、徒然亭一門の事は気にかけてはいたんだな。
ものすごく判り辛い、年季の入ったツンデレなんだよね鞍馬会長(笑)

寝床での打ち上げ。ご馳走が並んでるよ〜。鶏の丸焼きもあるよ〜(笑)クリスマスらしい演出だ。
そんな席で、糸子が草若に年季明けを迫る。正典が「コレで明けなければ、師匠に闇討ち仕掛ける」と言った事まで暴露する糸子。
当然、大慌てな正典(笑)まぁ、勢いで言ったジョークなんだよね。嫁さんだけに聞かせたつもりだったんだろうけど、糸子さんがそんな面白い事、黙ってる訳ないじゃ〜ん☆

「恐ろしい家族やな〜」と笑う磯七。草若は「闇討ちされたらかなわんな〜年季明けや。」と喜代美に言う。
喜代美愕然。待ちに待った年季明けなのに、勢いで明けてしまった。もっと感動的な気分を味わいたかったつもりなのか。
なし崩し的に明けてしまった年季に、グズグズ言う喜代美。複雑な表情の喜代美を他所に、周囲は盛り上がる。
奈っちゃん、決定的瞬間やっ、と小次郎が奈津子を急かす。
その言葉に、草若に向かって、再度年季明け宣言をリクエストする奈津子。草若もノリノリ(笑)
アクション付きで「年季明けやっ!」と楽しそう。

大晦日、除夜の鐘が鳴り終わったら年季明け、と改めて草若が言う。その言葉に糸子が「大晦日は喜代美の誕生日」と言いだす。
えええ、そうなの?知らなかったよ。じゃもうすぐ22歳か。

大晦日が誕生日なんて、ひとつもええ事無かった・・・とグチる喜代美。あっこれは、この空気感は、あわれの田中と対決した時の喜代美みたいだ。
夏休みとか冬休みとかに誕生日あると、学校の友達に祝って貰えないよね〜。正月近くの誕生日なんて、プレゼントとお年玉が一緒だったり、クリスマスが近ければ、誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントが一緒だったり。クリスマスケーキが誕生日ケーキだったりね。
子供の頃って、こういう些細な処が気になるんだよな。大人の目で見れば、一回で済ませたい処なんだけど(笑)

喜代美の話を受けて、糸子が話を始める。
大晦日の晩、すでに陣痛は始まっていたんだけど紅白を見ていたという糸子。大好きな五木ひろしの出番まで堪えていたけど、「ふるさと」の途中で生まれそうになった。
あ、アカン、産まれるう〜と分娩室に運ばれる糸子の耳に、五木ひろしの歌声が響く。

子供が産まれるまでの出来事が、やっぱり糸子さんらしくて笑った。でもその後の糸子さんの話は、すごく印象に残った。

喜代美が生まれてきたお陰で、正典と糸子はようやく本当の家族になれた。二人の故郷が出来た。二人の血を受け継いだ喜代美は、正典と糸子の心の拠りどころ、ふるさとだと言う事なんだろう。
生まれた場所だけじゃない、自分で作っていくものでもある・・・って言う糸子さん、ステキだ。
磯七さんも「えらいええ話、聞かせてもろうた。」って拍手してるし。と言うか、いつの間にか糸子が話題の中心になってる(笑)喜代美ったら、すっかり拗ねてるよん(笑)

と言いつつ、一門会も成功し、年季明けも約束され、繕った座布団は草々に使って貰えてサイコーな夜だと喜ぶ喜代美。だが草若の次の言葉に、一気に動揺する喜代美だった。
年季明けたら内弟子じゃないから、部屋を出ていかなければならない。しかも動揺するのは喜代美だけでなく、草々もだった。
さっきまでの笑顔が消えた、草々の心中や如何に。

草原のトナカイ姿、小草若のサンタ姿に笑った。進んで着てるのか、賭けでもやって負けたのか。でも体格だけで言えば、草原がサンタの方が似合いそう。トナカイは四草でもいいじゃん。
普段クールに澄ましてる人の被り物姿、見てみたいなぁ。


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【ちりとてちん「時は鐘なり」#73】
座布団に亡き父の姿を重ねていた草々。今迄ずっと大事な座布団だったけど、草若の親心がようやく理解出来た草々には、もはや必要の無い物となったのだろう。
これからは草若を実父と思う決意の表れか。だから「捨てといてくれ。」と喜代美に言ったのかな。
でも喜代美は、草原から聞いた話が強く心に残っている。草々の「父の記憶」をそう簡単には見過ごせない。

自分の部屋で破れた座布団をを繕う喜代美。そこに飛び込んで来たのは奈津子。
小次郎から「若狭破門?」の話を聞いて、慌ててやってきたのだ。だが事の顛末を聞き、なぁんだ、という表情。
「ほな"破門を乗り越えて"いう小見出し、無しやね。」と手帳の見出しを消す奈津子。
モノ書きの習性だよね奈津子さん。破門の話を聞いて心配する気持ちも有っただろうけど、ネタ拾いに行かなきゃ、って気持ちで飛んできたんでしょ〜(笑)。奈津子さんは波乱を期待してるんだろうな(笑)。

喜代美が座布団を繕う姿に、「わかった。作戦やな。」と、何やら一人で作為的な匂いを感じ取る奈津子。
いやいや、喜代美にそんな算段は出来ませんってば(笑)

学生時代にソーイングセットを持ち歩き、制服のボタンが取れかかった男子を見つけては、ボタン付けをして女らしさをアピールする女を思い出した奈津子。
「ボタン付け女〜」と繰り返し繰り返し、メジャーをムチの様にしならせてビシバシ叩く叩く叩く(笑)
これで思い出したのは出会ったばかりの清海と草々。そういえば草々のスーツのボタン付けしてたよね。
清海も持ち歩いていたんだ〜。でも私が学生だった頃も、大抵の女生徒は持ってたけどな。ボタン付けをした記憶は殆ど無いけど、スカートの裾がほつれた時には重宝したわね。
私は"肉じゃが女"には100%同意したけど、"ボタン付け女"への同意度は60%位かなぁ。
我を忘れた奈津子に「今は幸せでしょ」と言う喜代美。その言葉に自分を取り戻す奈津子。そうだよ小次郎が居るじゃん。

一門会当日。
沢山の客席を物陰から眺め怖気づく若狭(喜代美)。無理、絶対無理、年季なんか明けなくていい〜とヘタレているんだけど、先週のを見なかったらフツーのビーコだと思えた。
けど先週のを観た後だと、またブレてる様に見えてしまう。もう先週の喜代美は「なかったことに〜♪」と抹消しておけばいいか。

そんな若狭に優しいのは小草若だけ。小草若ってば、どんだけお人よしやねん、と思ったけど、そこは惚れた者にしか判らないか。四草なんて「鬱陶しいやっちゃ」だもんね。
でも、若狭の高座を見守る四草は、やっぱりいい兄さんの表情だった。

ヘタレる若狭を含め、弟子達を集め、草若が思いを語る。
喜代美が来なかったら、自分は今でも呑んだくれているおっさんやった、と若狭を見ながら草若は言う。
ああそうだよね、喜代美と出会わなかったら変化しなかったかもしれない。
不器用ながらも一生懸命生きる喜代美。その喜代美が起こす波風に、皆が動かされ、また集まり、色々有ったけど皆、徒然亭を守る為に頑張ってきた。
寝床寄席が評判にならなけりゃ、鞍馬会長が足を運ぶ事もなかっただろう。
喜代美に感謝する師匠の笑顔が、とても温かくて・・・観ていてすごく嬉しく思えた。

そして若狭は、大勢の人が集まる天狗座で、初めての高座に挑む。

よどみなく、流れる様に出てくる枕のネタも笑える。
年季明けが掛かってる、炊事・洗濯・掃除と、人使いの荒い師匠と兄弟子達から解放されるか否か、皆様に掛かっています。だから、面白くなくても笑ってください。

若狭の枕に「アイツ何言うてんのや」と微笑む師匠。見守る兄弟子達。これを観るだけで、いかに若狭が成長したかよく解る。
喜代美の高座を聴きながら、高校を卒業した直後の喜代美を思い出す、正典と糸子。
ヘタレだった喜代美が、大勢の人の前で「徒然亭若狭」の名前で落語をしている。額に汗を滲ませ、一生懸命に人を楽しませている。
娘が成長した姿に、二人の胸がいっぱいになる姿に同化しそうになった。

ところで今日は順子居ないのか。見せてあげたかったね、順ちゃんにも。

そして楽屋。
喜代美が繕って、草々に渡すつもりだったあの座布団を草々が見つけていた。開演前に渡すつもりだった喜代美。でも草原と草々のやり取りを聞いてしまった為に、渡しそびれた物だった。
見つけたよ草々。どう反応するんだろう。ちょっと楽しみ〜♪

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【ちりとてちん「一難去ってまた一男」#72】
草々の大事な座布団をボロボロになるまで食いちぎっていたのは茶色い犬・・・。犬を追い払い、座布団を抱き締める草々。破門され、全てを失った草々には座布団だけが肉親の絆。ぎゅっと座布団を抱き締めて、雨に打たれている草々。
座布団から出ている中綿が、草々の本心みたい。薄い外布みたいに精一杯、小草若の前で虚勢を張っていた草々。でも本当は脆く儚い。
草々、雨で身体が冷えたから熱出してるのかな。廃屋で、ボロボロの座布団を枕に横たわる草々。
あまりにも淋しすぎる。

その頃、小草若は草若の前で頭を下げる。尊建を殴ったのは自分だと。破門は取り下げて欲しいと深く頭を下げ、草原、四草も共に頭を下げる。
あ〜いいシーンだ。昨日、喜代美が真実を暴露しなかったらもっとよかったのに。あれを観てしまったから、じゃあ喜代美が言わなかったら、ずっと黙ったままだったんだろうか小草若・・・と思ってしまう。それとも良心の呵責に耐えかね、真実を告げたんだろうか。
正直言って、何とも言えない。

熱を出して寝込む草々の姿と、「鴻池の犬」の稽古をする小草若の話がオーバーラップ。テーブルの上に並べられたご馳走。
昔の事を思い出し、夢を見てる草々。初高座のお祝いをしてもらった時か。これ全部、志保さんが作ったのかな。草若も志保も嬉しそう。
遠慮せず食べる様にと勧められ、感謝する草々。そこへ、鯛のお頭付きに箸を突き刺す小草若。
「何すんねん!」と小草若を組み伏せる草々。
ふたりを怒る草若、「エエ加減にせぇ!破門するぞ!」の言葉にビクッとする草々。

これは草々が可哀想。行儀悪い小草若が先に叱られるのが筋だと思うんだけど。勿論、すぐ手が出る草々も悪いから、両方を怒らないとな〜。
「二人とも破門するぞ。」なら未だ判りやすかったけど。
草若師匠にとっては二人とも同じ扱いのつもりだから、破門って言ったのかもしれないけど。勿論本心からじゃない。でも中学生レベルの草々に、本気なのか否かは判断出来ないんじゃないかな。大人になった今でも、言葉の裏を読む事は出来ないしね草々は。
草々が一歩引いた様な遠慮がちな態度なのは、こういう処もあるんじゃないのかな、って気がする。

喜代美は地図を片手に、かつて落語会が開かれていたという民宿を探す。寄席会場だった離れの建物を見つけ、中に入る。
其処には雨に濡れ、熱を出して横たわった草々が居た。驚いた喜代美、草々を起こして病院に連れて行こうとするが、身体の大きい草々を上手く起こせない。
崩れ落ち、喜代美の膝を枕に横たわり、うわ言を言う草々。

「おかみさんから、師匠に謝って下さい・・・小草若は本当の子供だから、きっと許してもらえる・・・」
子供の頃、草若に怒られた時の事を夢に見ている草々。
「でも俺は違うから、追い出されてしまうかも判らへん。そうなったら俺行くとこあらへん。」

やっと見つけた自分の居場所。それを失う事への恐怖。志保に一生懸命訴える、子供の草々・・・。これはかなり泣けた。
喜代美の膝で「また一人になってしまう・・・怖い・・・」と泣く草々に、大丈夫、一人にはさせない、私が傍に居るからと言う喜代美。
すごくいいシーンなんだけど・・・過去2年間の喜代美を見てみたい。喜代美がこういう風に変わったのは何故なのか、色々考えてみたけど、どうも上手く補完出来ない。
恋愛シーンは嫌いじゃない(っつか好き)なので、こういうシーンは有ってもいいんだけど、何かしっくりこない。
純情きらりで例えてしまうと、観てなかった人には悪いんだけど、桜子が戦争のトラウマにうなされる達彦に「私がついてる」って言うのなら、すごく納得出来る。お互い愛し合う二人だからだ。
草々が喜代美の気持ちに気付いてなくて、この時点では喜代美の一方通行だから、違和感があるのかな。
一人にはさせない、草若師匠だって居るし、草原兄さんも小草若兄さんも四草兄さんも、私も居る、草々兄さんの帰る場所は徒然亭一門の処ですよ、なら少しは同感出来るんだけどな。

病院に行くほどの熱じゃなかったのか。しかし一晩、どうやって面倒見たの喜代美?
と思ったら、近所の人に毛布借りた、だと。雨で身体冷えてたと思うけど、草々を着替えさせなかったの?
此処ってかなりツッコミ入れたいシーンだ。近所に人が居るのなら、毛布借りたついでに電話で連絡ぐらいしておけばいいのにな。

前日、喜代美が飛び出したから、今朝は四草が庭の掃除。草原の「若狭から連絡は?」の問いに「無いですね」と言う四草。
そこへ「ごめんください〜」と現れたのは柳眉。
草原と四草が言葉の端々に「柳眉」を付けていたのが笑えた。尊建みたいに出番多くないから、サービスなんでしょうか。連呼しないで下さいという柳眉に笑った。
万葉亭一門は穏やかだ。

面倒見のいい柳眉兄さんが連れてきたのは尊建。申し訳なさそうな表情の尊建の姿に、さっきまで歓迎ムードだった草原と四草の表情が一気に険しくなる。そりゃそうだ。草々破門の遠因はこの男だからなぁ。
でも尊建は草若に詫びに来たのだ。そして草々の破門取り消しを願う尊建。
柳眉が事情を全て話す。柳眉と尊建は、草々を良きライバルとして認めていたのに、草若の例の一件で、草々が高座に上がれなくなった。

「僕は大人ですが、コイツは未だ子供ですさかい」と言う柳眉。
騒動の原因となった草若師匠を恨んでいたんです、とサラリと言う柳眉に「ぶっちゃけすぎや」と言う尊建。実はアナタもツンデレだったんですね尊建(笑)
素直になれない尊建も、悪いヤツではないと言う事か。でもその酒癖の悪さはどうにかならんかね。酒を呑むと人に絡みたくなるんやろ?それって、酒に呑まれているんだよな〜。昨日迄、尊建に対しては散々言ったが、今日は詫びたのでもういいです。

三年前、寝床での高座を観て本当に嬉しかった、また競い合えると思った。
草々とまた競い合いたい。
「お願いします」と頭を下げる尊建と柳眉、困惑する草若。

「人の弟子どついて、ケガをさせた奴をな。」と言う草若に、堪えきれずに小草若が叫ぶ。
だからどついたのは、俺やて言うてるやろ、と言う小草若に「オマエやったんかぁ」と立ち上がる尊建。
どーも血の気が多いね尊建って。瞬間湯沸かし器?

草若は言う。「破門の取り消しは出来ん。」
その頑固さに、いつもは穏やかな柳眉がつい声を荒げる「頑固オヤジ!」。
でもその後直ぐに「すいません」と詫びる柳眉。なんだか性格がよく判る。
頑固と言うか、相当の覚悟をして言い渡した事だから、簡単にはひっくり返せないって思ってるんじゃないかなぁ。
男に二言は無い、みたいな感覚なのかな。

その頑固な草若に揺さぶりをかけたのは・・・やはり四草、アンタですか〜。
草原兄さん、と声を掛け、いきなり草原を殴る四草。草原唖然、「何すんねん!」と四草を睨むが、その四草は・・・。
草若に頭を下げ「僕も人をどついてしまいました。破門ですね?」と言う四草。
その言葉に草原も、四草の真意を理解した。
四草を殴り倒し「僕もどついてしまいました、破門ですね?」と草若の前で頭を下げる草原。
弟子達の突飛な行動に、草若唖然。尊建呆然「何や、この一門」と目を白黒。

兄弟思いなんですよ、この一門は。
お互いの結束が強い。誰が欠けても駄目。そう思ってるから、こういう行動に出るんじゃないのかな。

そこに「師匠!」との声が庭から聞こえる。喜代美だ。
草若険しい表情で、「何で入って来てんねん、破門言うたやろ!」と喜代美を怒る。
そのやりとりに「ええ?若狭も〜」と驚く柳眉。

テンポ良くなってきたのでちょっと期待。

喜代美の後ろには草々が居る。座布団を背中に括り付け、とぼとぼと庭に入る草々。
身体は大きいのに、中学生の草々とダブって見える。ショボ〜ンとした姿が子供みたいだ。

草々の姿に、靴下のまま庭に駆け下り、その頬を平手打ちする草若。
草若は草々を怒った。
「ど阿呆!何であんな嘘つくのや!」
俺がどんな思いでいたのか解るか?いつまでも他人みたいな遠慮して、と草若の言葉は続く。
「ちったぁ親の気持ち考えェ!」と言う草若の言葉に、一気に涙が溢れだす草々。

草若にとっては小草若も草々も大事な息子。どちらも同じくらい大事なのだ、という気持ちが草々にも伝わる。
俺も殴ってしもうた、と草々を抱き締めて泣く草若。

後ろで見ている弟子達と柳眉、尊建。皆、感極まった表情だ。
「そやから、どんな一門やねんって。」そう言う尊建の目も潤む。

皆が揃って一門会が出来る事になって良かった。
草若師匠の元、草々の居場所は決して無くなる事は無い。それをやっと草々も解った事だろう。
本当に良いシーンでした。

1週間の感想を言えば・・・。
鴻池の犬みたいに「にいさ〜ん」「おとうと〜っ」を、草々と小草若で観れるのかなと思ってたのだけど、ハズレたなぁ。
それぞれのエピソードは秀逸だし、確かに泣ける。けど通して見た時に、やっぱどうしても矛盾を感じてしまった今週。特に喜代美。
先週迄はそう思う事もなかったんだけど。まぁ、こんな週も有るのか、って事なのかな。いつまでもヘタレじゃないのはいいと思う。だけど、いつの間にそんなに自信に溢れる様になったのか謎。ヘタレがどうやって進歩していくのか気になってたので、いきなり変わられると「?」って思う。
でも今週の喜代美は、今迄の朝ドラヒロインの流れを受け継いでるんだよなぁ。それが好きな人にはいいんだろうけど、ヘタレなヒロインの成長過程が観たかった私にはガッカリだった。
何だかんだ言ってるけど、今後どんな展開になっても、四草観たさに多分ずっと観続けると思う。

来週の予告、小草若の姉様被り姿が気になるんだけど(笑)そして壁ぶち抜き。何だか随分と豪快なシーンが用意されてるんですね〜。


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【ちりとてちん「一難去ってまた一男」#71】
「何するんですか!出て行って下さいっ!」喜代美は小草若を突き飛ばす。
「ゴメンな、喜代美ちゃん」と俯きながら謝る小草若に、喜代美も動悸を抑えられない。
「出て行ってくださいっっ」

え〜そんなに邪険にしなくても・・・そりゃいきなり抱き締めたらビックリするかもしれんけどさ。それともアレって朝ドラだから抑えてたけど、実は小草若がいきなり押し倒したとか??だったら「出て行って」と二度も言うのは判るけどね。キレまくる喜代美に「ホントごめん」と言って、ヘナヘナと崩れる小草若が気の毒になってしまった。ただでさえ細いのに、このまま風に吹かれて飛ばされそうなくらいに頼りなさげ。

師匠は居ないし、離れの草々の部屋に電気が付いてるから、もしかして帰って来たのかと思って、と言う小草若。あ〜あ、泣いてるじゃないのよ可哀想に。

そしてふたりは寝床でゴハン。
どうでもいいけどさ〜重要な話をするのに、野次馬いっぱいの寝床か??清海が東京の仕事の話を草々に打ち明けたのも寝床。あの時も少し違和感あったけど、今日もやっぱり違和感ある。

「イライシャ・グレイって知ってる?」と言う小草若。電話機を発明した人だが、特許の出願がグラハム・ベルより2時間遅かった為に発明家として名を残せなかった、間の悪い人だと言う。
小草若って伝記物とか結構読んでるんだろうか。それとも仕事絡みで覚えているんだろうか、と色々想像してしまった。

草々が来てから、自分はずっとイライシャ・グレイの気分だったと言う小草若。
中学2年の時、終業式が終わったらオヤジに弟子入りして喜ばせてあげようと思った。でも草々が、1日早く弟子入りしていた。
「散々お祝いやった次の日にそんなん言うたかて、出がらしや・・・。」
小草若の偽りのない心境なのだろう。いつもの調子よさは影を潜め、自分の本当の気持ちをポツリポツリと喋っている。
これが小草若の本当の姿か。底抜けにぃ〜ってやってる小草若は虚像。自分を良く見せる為の演出にすぎない。本当はいつも、草々に対して劣等感を抱いていた。初高座も草々の方が先だった。何をやっても負けっぱなしや・・・。
小草若は草々の才能に引け目を感じ、草々は小草若の家庭環境と自分を比べ、こっちもまた引け目を感じる。お互いが、自分の持っていないものを持つ相手に対し、心の底では憧れていた。
草々と小草若、表面ではケンカばっかりしていたけど、自分が持っていないものを持つ相手が、本当はすごく羨ましかった。

咲が、ああやって同情引く作戦に出たんやろか、と言ってたけど、小草若にそんな気は無いんじゃないかな。全然無いとは言えないかもしれないけど、同情買おうという算段は殆ど無いだろう。だけどあれがもし四草なら、同情作戦の可能性はかなり高くなるだろうな(笑)

俯き加減の小草若が顔を上げ、喜代美に向かって言う。
「喜代美ちゃん、俺の気持ち知ってるんやろ?」真っ直ぐに喜代美を見る小草若。おお、本気モードだよ。直球勝負に出たか小草若。
でも喜代美は「えっと・・・」とお茶を濁す。

小草若が草々と違うのは、言葉で表現しなくても、相手の様子で察する事が出来る、空気が読めてしまう処なんだよね・・・。なんか見ていて可哀想でたまらんのですが。
「でも喜代美ちゃんはやっぱり、未だ草々の事が好きなんやろ?」
喜代美、返答に困る。そういう曖昧な態度は、小草若みたいな人には余計辛いと思うんだけど。うなずくだけでもいいから、肯定してほしい。
小草若が「こないだ草々が俺の処に来てな。」と言う小草若の言葉に、一気にヒートアップする喜代美。
「いつですか?」
その声の大きさに、"喜代美ちゃんは草々が好き"ってのを再認識させられる小草若が切ない。

草々が来た時の経緯を話す小草若。だからそういう話は、寝床じゃなくて違う店でやろうよ・・・。菊江さんもビックリ「仁志、あんたが殴ったん?」と言う。

これだけ徒然亭に関わる人々の居る所で、"草々が殴った事にしといて"と言うのも何だかなぁ。っつか喜代美が仕切るんじゃなくて、先ずは草原に相談するべきだと思うんだけど。
磯七が「しっかりしたな若狭。」って呟いてるけど、アタシにはお節介にしか見えんのだが。まだ内弟子なんだから、自己判断せずに草原に相談しようよ〜。小草若も妹弟子の言う事に、そのまま押されてるんじゃないわよ全く。
翌朝、草原が「そやなぁ。」と納得してるのも何だかな〜。まぁ、草々の分まで頑張らなきゃいかん、って気持ちは筆頭弟子らしくまとめようとしてるので、それは良く判るけど。
小草若に「鴻池の犬」をやるように勧める草原。こういう処は草原兄さんらしくてイイな、って思えた。

小次郎は、ホントに京都の北の方まで来たのか。例の物件見にいったんだろうけど、収穫無かった訳ね。儲ける夢も露と消え・・・。
工事現場の前を通りかかる小次郎、ふと見覚えのある人影が。「そんな訳ないか」と通り過ぎる小次郎だけど、そんな訳あるんですってば〜。

草若を訪ねる尊徳。いつぞやの不機嫌さは何処へやら、尊建の顔の腫れも引いたし、日付は変更したけど、二人会は改めて出来る様になったと言う尊徳。
「年甲斐もなく騒いで悪かった。」って言う尊徳だけど・・・あ〜やっぱり私は、尊徳への違和感は拭えない。自分が騒いだ事を詫びるより先に、弟子の無礼な発言を詫びるのが先だと思うんだけど。
身を引きちぎられる様な思いの草若に対し、尊建が詫びるシーンでもあれば少しは違和感無くなるんだけどな。

稽古する小草若だが、全然気持ちのこもらない「鴻池の犬」をやっている。物陰から様子を伺い、苦い表情の草原と無表情の四草。
四草に「あれを中トリにするわけにはいかん。俺がやって中入り後に小草若でどうや。」と順番の相談をする草原。
それに対し、草原兄さんが中トリやるんですか?と、明らかに不服そうな四草。

「華が無いなぁ、思うて。」
四草、それはストレートすぎるよ〜。草原キレ気味「誰が華無いねん!」と四草に食って掛かるが、四草しれっと「草々兄さんにはあって、草原兄さんに無いのはそれでしょう」と言う。あ〜あ、草原、完全にキレたよ。

「ほんならオマエはどうやねん!」
四草動じず「やってもいいですよ、中トリ。」としれっと言う。
「誰がオマエにさせる言うた。百万年早いわ!」
草原、遂に大噴火。草原自身が感じている事だから、四草にほじくり返す様な事を言われて余計に頭に来たんだろう。
険悪な雰囲気の草原と四草を止めに来たのは喜代美。
「どないしたんですか!やめて下さい!何でケンカなんかしとるんですか!」
草々兄さんの分まで、頑張ろうって言ったじゃないですか、と二人に向かって言う喜代美。
今の喜代美って、93年頃の喜代美と違うね。これって成長の証なの?何だかブレてる様に見える。いきなり夏美が乗り移ったみたいに見えて、ちょっと気持ち悪い。「doんdo晴れ」みたいな作品に方向転換してるんですかね?

しれっとしていた四草が、ボソリと言う「無責任や。」
その言葉に「え?」と言う喜代美。
「草々兄さん、僕等の事呼び集めといて・・・なんで草々兄さんが居らんねん。」
四草も感じていたんだ。草々が居ないままやる一門会への不安。四草にとって、草々も大事な兄弟子だった。
アタマ悪いですね、なんて事言い放ったりもするけど、草々の落語に対しては、尊敬の念を抱いていたのだと思わせてくれた四草。草若師匠が自分達を捨てたんじゃないか、と言って泣いてた時の四草を思い出してしまった。
滅多に剥き出しの心を見せない四草なのに、こんな風に本心を見せる処がイイんですよね。こういう感情表現って難しそうだけど、上手く演じてるなぁ。つい四草の気持ちに感情移入してしまった。
四草にとっては、落語をするのならこの徒然亭のメンバーと一緒じゃなきゃ駄目なんだ、と思わせてくれた。

草々の寝る所って、中学時代、初めて草若の落語と出会った離れの建物なのか。今じゃすっかり廃墟と化して、ホコリが積もったその部屋で寝起きしてるのか。
大事な座布団を枕にして横になる草々の姿が、何処か淋しげだった。

何だか重苦しい展開ばかりの中で、一筋の光を放つ小次郎叔父ちゃん(笑)。
「皆さ〜ん、温泉まんじゅう有るさけぇなぁ〜」と呼ぶ小次郎の声に、ワラワラと集まる兄弟子達(笑)。
そうか、饅頭がそんなに好きなのかおまいら(笑)縁側に並ぶ兄弟の姿に、ちょっと和んでしまった。

草々が居ないのを不思議に思う小次郎。そう言えば草々に似た人を見た、と言う小次郎の言葉に喜代美の顔色が変わる。

「何処で?」
問いかける喜代美に、例の京都の北の方の町、寄席会場だった処の近くで、と言い、地図を取り出す小次郎。
小次郎は地図の一点を指差す。「此処や。」

喜代美は何かを決意した様な表情。小次郎に「代わって。」とホウキを差し出す。行くつもりなのか喜代美。

草若が中から出てきた。
「何処へ行くんや。」と喜代美に言う草若。
「草々兄さんのとこです。」とキッパリと言う喜代美。

居場所が判ったから連れ戻す、と言う喜代美に「アイツ破門やで」と草若が言う。
そこで喜代美が言う。
殴ったのは小草若、草々はそれを庇っただけ、と草若に言う喜代美。兄さん達ビックリ。
「そりゃ無いでぇ〜」と言う小草若。「オマエが言うな、って言うたやないか。」と四草。
その発言に「気が変わった」と言う喜代美。は?そんなに決断力良かったっけ?随分と人格変わったのね。

草々が居ないと駄目じゃないか。絶対イヤだ、草々が居ない一門会なんか意味が無い。
そう言うのは、喜代美もうすうす、華が無い事への不安を感じているからなのだろうか。
草若は言う。「草々じゃない事ぐらいわかっていた。けどアイツ、俺に嘘をついた。この俺を騙した。」と。

「いずれにしても破門や。」と言う草若を見据える喜代美。
え〜こんなん喜代美じゃない。なんか変。前向きに突き進む性格になったのか?
ヘタレが直ったと思ったら、夏美が憑依してるよ・・・。こうしないと視聴率が上がらないから??
草若を見据えながら「誰が何と言っても草々兄さんを連れ戻します。」と言う喜代美。
草若の「行ったらアンタも破門や」の言葉を振り切り、突き進む喜代美。

今日の喜代美の性格には全く同感出来ん。アタシは夏美みたいなのはもうお腹いっぱいなんですが。
NHKさん見てますか?見てますよね?毎日「ちりとてちん」をキーワードに検索されてるんですから。
もしも今日の最後のシーンが、「俺が行く」と喜代美を制止した小草若が飛び出したのなら、その展開にも期待するんだけど。何だか夢から醒めた様な気分。

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【ちりとてちん「一難去ってまた一男」#70】
小草若の部屋が出てきたのって初めてか。意外と片付いている様に見えるけど、ちょっと微妙。
インテリアはいかにも"男の一人暮らし"って感じで、黒×メタリックな印象だ。等身大POPは「なにわ情報局」の宣伝広告用に作られたものかな。部屋中に貼られた自分のポスターと、吊るされた沢山の衣装が、片付いてるけど何処か雑然としてる印象だ。
とりあえず服はクローゼットに仕舞おうよ〜。それじゃ女の子もビックリだよ〜。
でも奈津子の部屋の方が、もっとビックリするか(笑)

マンションを訪ねた草々を問い詰める小草若。何故、草々が殴った事になっているのか。「殴ったのは俺や。」と言う草々。小草若は訳がわからない。
小草若は「ええカッコ」なんて言ってたけど、草々はカッコつけてる訳じゃない。

そもそも草々って、他人の目はあまり気にしてない。他人の目を気にするような男なら、丈の合わないスーツなんか着やしないと思う。モッサモサの頭のままでいたりしないんじゃないか。スーツは「ずっと着ていたい」と思うから着てるのだろうし、モジャモジャ頭は願掛けだった。
尊建の件も「こうするのが最善」って直感的に思ったから、自分がやった、って言ったんだろう。

真実を伏せてまで、草若と小草若の絆が落語でより一層結ばれる事を願う。家族の居ない草々にとって、両親の愛に包まれて育った小草若は羨ましい存在。
草々の本心を理解した小草若の大きな瞳が潤む。どこへ行く、と言う小草若の問いに、これまた目を潤ませた草々が「オンナのとこや。」と虚勢を張る。
草々、本気で泣いてたよね?目が赤くなってたよ。演じていて、気持ちが本当に高ぶったんだろうな。
どこまでも意地っ張りの次男と三男。あんた達、ホントはお互い大好きなんやろ〜?そう思ったら涙が出てきた。

草々が居なくなって気が抜けたような喜代美。掃除も進まず、縁側で物思いにふける喜代美の姿に、「大丈夫か」と声を掛ける草原。
草若や草々が居なかったら、落語の道を選ぶこともなかったもんね喜代美。特に草々の、落語に対する熱すぎるくらいの情熱を見てるから、炎の塊みたいな男がいきなり消えたら、火が消えた様な気分なのか。

何故小草若の代わりに罪を被ったのか判らない、と言う喜代美に、草原は、判らなくもないと言う。草々なら身代わりをやりそうだと。
16年前、草々と出会った頃の事を語りだす草原――――。

中学生時代の草々って、以前草々も言ってたけどフツーのサイズだ。でもなんか、大きな草々と雰囲気似ているわ。
座布団に頬擦りしたまま眠りこけてる姿が、初々しくてかわいいではないか(笑)
あの座布団は草若から譲ってもらったのか、と納得。その時の嬉しそうな笑顔が、実にカワイイ。武士のコスも似合いそうだよ(妄想ワールド突入中)。
しかし草々って、相当記憶力良かったのね。それが父親の作った座布団だと判ったのは何でだろう。何か特徴があるのかな。

草原の落語「鴻池の犬」をたった一度でほぼ暗記してしまう草々。本来は頭が良いのだろうね。以前、喜代美に「辻占茶屋」の下座やらせた時も、喜代美のミスに機転利かせて話をつないでたし。

草若に乞われて弟子となり、大阪に出てきた草々。家族が出来て嬉しかっただろう。特に志保さんの姿に、殆ど記憶の無い母親の温かさを感じる事が出来てね。
そして昔の小草若。こっちもまた、雰囲気良く出ている子だ。草々と同じくらいの背丈、ちょっと生意気そうな態度。草々と共に、いいキャスティングだと思った。

草々と小草若、出会った頃からそんな風だった、ってのを聞いた喜代美も、思わず笑ってしまう。
落語に一生懸命だったのも、そうしないと自分の居場所がなくなるから。そう思って必死だった草々、何であんな言い方をするのか、やっと理解出来た。
自分の気持ちを上手く言葉に出来ない。勿論お世辞とかも言えない。素直な気持ちの人間だけど、上手く言葉に表す事が出来ない。
だからあんな風に、上から目線の暑苦しい言い方をするのかもしれない、って気がしてきた。草々本人には、偉そうなモノ言いの自覚なんかは無くて、ただ必死に訴えてるんだろうね。

草々のスーツ、あれは初高座祝いとして、志保に買ってもらったものだった。母親代わりの志保さんに買ってもらったスーツだから、丈が合わなくなった今でも、大事に着続ける草々。まったく、どこまでまっすぐな奴なんだろう。名は体を表す、って言うけど、一(はじめ)という名の通り。ちなみにステラに書いてあった・・・青木一ってね。風林火山目当てで買ったステラだから"ちりとてちん"のネタバレ、読まないつもりだったのに〜。

尊徳に謝る草若のシーンがあったけど、一緒に柳宝も居るから、殴った理由は尊徳も判ったんよね。
よく判らないんだけど、弟子が礼儀を欠いた発言したのを知った上でも尚、そういう態度ってアリなんだろうか。なんだか、尊徳の器の小ささばかりが強調されていて、すごくイタイ人に見えるんだけど。
確かに、弟子が怪我して高座に上がれないのは悔しいし、怒る気持ちも判るんだけどね・・・。
芸さえ出来れば礼儀知らずでもOKなのだろうか??

草々の部屋、片付けられた荷物の中に、愛用のスーツを見つける喜代美。思わず胸に抱く喜代美。
草々を実感したかったんだろうか。
ガタガタと物音がする。「草々兄さん・・・?」の声が期待で大きい喜代美。
なのに、そこへ現れたのは小草若。「小草若兄さん・・・。」一気にトーンダウンする喜代美。
すまん、その落胆っぷりの激しさに笑ってしまった。ところで何しに来たんだろ小草若、と思ったら・・・。
「喜代美ちゃん・・・。」思わず抱き締める小草若。
いや、それより先にすることあるんじゃないの小草若よ。喜代美は驚いた表情で、固まっているよ・・・。

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16日に最終回を迎えたNHK大河ドラマ「風林火山」。ドラマで上杉謙信(作品中では上杉政虎まで)を演じたGackt写真集。
和の色合いの中に、静かに佇む景虎の姿が美しい。また、劇中の様々な風景も散りばめられていて、より一層、風林火山"長尾景虎の世界"を醸し出している。
要するに、長尾軍の騎馬武者の姿や、巴九曜紋の幟、北条の足軽勢、武田軍団等の写真もしっかりあるって事なのだけど。
勿論、Gackt演ずる長尾景虎上杉政虎)の姿も沢山あるので、このドラマでハマった人にはオススメの一品。
緒形拳のプロローグ、Gacktの考え方、若泉プロデューサーのエピローグ等、読ませる部分も結構有る。
若泉さんの"イチローや中田英寿と何処か似ている"の一文は私も納得。
「出来ると思うから出来る」と言うGacktの姿勢は、かつて高校時代に「センター返しならいつでも打てる」と言って実際に打ってみせ、監督を驚かせたイチローの話を思い起こさせる。
何かを成し得る人には、その考え方にも共通性があるのだろう。
緒形さんも書かれていたけど、もしいつか、Gacktが何かを演じる事が有れば、安倍晴明なら私も見てみたいと思った。
Gackt 龍の化身Gackt 龍の化身
(2007/11/28)
撮影 野村誠一

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【ちりとてちん「一難去ってまた一男」#69】
「これでオヤジにも見捨てられ、全部終わりや・・・。」そう言った小草若の表情は、いつも草々に突っかかっていた時の様な勢いが全然無かった。
トボトボと歩く茶色い弟犬みたいに、何処か頼りない。そして厳しい表情で小草若を見つめる草々は、リーダー犬のクロみたい。

小草若が鞍馬に相手にされず、呆然と立ちすくむ姿や、仕事が減り、人気が衰退していく先の見えない不安から酒に逃げる姿、自分の力の無さを父・草若に問い詰める姿に、お前には才能があると励ます草若師匠の姿・・・草々は小草若の色んなシーンを見ているから、自分が尊建を殴った、と言った様に思えてならない。

柳宝師匠や草若師匠に問われても、「自分が殴りました」と言う草々。それは草若を侮蔑した尊建が許せなかったからだと言う。だが、それ以外は何も語らない。
若狭にどれだけ責められても、草々は何一つ反論しない。草々の中で覚悟は出来ていたのだろう。
実際に殴ったのは小草若、でも小草若の殴るタイミングが少しだけ遅かったら、殴り倒していたのは草々かもしれない。
あの瞬間の気持ちは、草々も小草若も一緒だった。ただ二人の殴るタイミングが、少しだけずれていた。身代わりになって庇うと言うよりは、共犯・・・みたいな感覚かな。
その後で、小草若の弱気な姿が次々に浮かび、俺だってあの時殴るつもりだった。だから咄嗟に「俺が殴った。」という言葉が口をついて出たのかもしれない。

尊建の怪我は大した事はない。でも顔が腫れている為に、尊徳師匠との二人会に出られる様な状況ではない。
人気も実力もあり、採算が見込める人材なのにどうしてくれるんや?と言う鞍馬。草若はただ、深く頭を下げ詫びる。
尊徳に義理立てして、一門会を中止にすれば、もう決して天狗芸能には戻られない。
落語で借りを返す為に、廃業していた弟子を集め、新弟子まで取った草若の覚悟を見せろ、と言う鞍馬。
草若、険しい顔のまま黙って頭を下げるのみだ。

尊徳は何故、草若が詫びる為に訪問しても会おうとしないんだろう。柳宝が代わりに来た時は、まだ尊建が殴られた理由を知らなかったのかもしれないけどさ。
そもそも先に、草若一門及び草若師匠を侮辱したのは尊建なんだけどね。だからと言って殴っていいとは言わんけど、理由を聞いた上でも尚、草若一門に対して一方的に腹を立てているのだとしたら、尊建が何であんなに芸以外は駄目な人間なのか、少し判った様な気がした。

稽古場に弟子達を集める草若。小草若だけは連絡がつかず、4人だけが草若の前に正座する。
そこで再度、草々に念を押す様に訊ねる草若。
「ホンマにお前が殴ったんか?」と言う草若の目を真っ直ぐに見ながら、草々が答える。
「はい。私が殴りました。」
草若は草々に向かって言うのだった。

「お前、今日限り、破門や。」

黙って聞いていた草々は深々と頭を下げる。
「長い間、お世話になりました。」険しい顔で、何か堪えつつ覚悟もした様な表情。

「考えは解りますがそれは・・・」と呆然とする草原。「破門なんて・・・そんな!」と言う喜代美に、草若は「一門会は直ぐや」と言い残し、襖をピシャリ。
草々以外に残された弟子達は、ただ呆然とする。

部屋で荷物をまとめる草々に、喜代美は必死で訴える。早まらないでほしい。
一門会で上手くいけば年季が明ける、一人前の落語家として認めて貰える。そしたら、草々兄さんと一緒に師匠の落語を伝えていける。そう思って頑張ってきたのに。
「なんでこんな事になってしまったんですか!」と一生懸命の喜代美に、草々は何も反論する事はない。ただ「一門会頑張れよ。」と言い残し、姿を消した。

皆を守る為に、草々を破門にせざるを得なかった草若。真実はうすうす感づいているのかもしれない。だが自ら「殴った」と言う草々を、このままには出来ない。それは徒然亭復活の為に選んだ、草若の苦渋の決断。

台所で厳しい表情で水を飲む四草に、小草若がこっそりと様子を聞きにきた。
「大変だったんですよ。草々兄さんが破門されて。」
四草の言葉に仰天する小