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桜子と達彦の目に映る西園寺の姿は、明らかに憔悴しきっていた。
いつもとは違う。その姿に少し戸惑いつつも、達彦は先日の母の非礼を詫び、
独逸行きの件を告げた。
だが西園寺の答えは、意外なものだった。
「旅行自体が、難しい状況かもしれません」と。

西園寺は軍の上層部から、軍歌の作曲を命じられていた。
曲は完成させたものの、曲調に軟弱だ、とのクレームがつき差し戻されていた。
西園寺には、再度作る気力はなかった。彼自身が納得出来なかったのだ。

だがこの仕事を断ると、学校に影響を及ぼす可能性がある。

そう考えた西園寺は辞表を提出していたのだ。

「何故連れて帰ってこなかったんですか!」
岡崎では、拓司がかねから、ものすごい勢いで怒られていた。
かねの勢いに怯えつつも、拓司は言った。
「当初の通り、4年間行かせてあげようよ。」
独逸行きも許した事を話すと、かねの怒りは頂点に達した。
「そぉんな甘い事言ってるから、音楽家になるなんて言い出すんですッ!」
かねは、既に血管がキレそうな勢いである。
「そ、それはね、ちゃんと店を、継ぐって言ってる…よ。」
何処かウソくさい拓司に、怪しいと言わんばかりの視線を投げるかね。

「鶴の巣篭もり」状態で完成させていた冬吾の絵は、絵画展で賞を獲った。
自分の事のように喜ぶヤスジ。だがそんな彼らをよそに、冬吾は相変わらずポーカーフェイスだった。
マロニエ荘に押しかける取材陣、その中に薫子の姿も有った。
大陸で絵を描いて欲しい、と言う薫子の勤める出版社の提案に、冬吾の表情が険しくなった。
「死体でも描けってか?」

桜子は薫子に聞いた。
「戦争には反対じゃなかった?」
薫子は言った。
「やっと入った出版社なんだよ。それに日本が勝って、戦争が早く終われば、戦地に居る兄も帰ってくる。」
変わってる様に見えるが、薫子は女学生時代と決して変わってはいない、桜子にはそう思えた。

「女給でも何でもやるしかないわよ。」マリがサバサバとした口調で言う。彼女はダンスホール閉鎖で仕事を失うのだ。
そこへヤスジが帰ってきた。「大陸へ絵を描きに行く。」
それは薫子が冬吾に持ってきた仕事だった。ヤスジは冬吾が断った仕事を、自分の絵を持って売り込みに行ったのだ。
絵画の世界で注目を浴びつつある冬吾、そんな彼に対してヤスジは嫉妬心を抱きつつあった。
「俺だって、絵の世界で俺の実力を認めさせたい」
ほんの僅かな誤解、それが二人を取っ組み合いの喧嘩へと発展させた。
「冬吾の家は金持ちだからな」
「俺は家とは縁を切ったんだ!」
そんな二人のやり取りに、傍にいた達彦の端正な表情が歪んだ。

西園寺の辞表撤回の為、桜子と達彦は学校で署名を集めていた。そんな二人の姿を見つめる西園寺。
ふと、二人の前で署名する男に見覚えが有った。
「秋山・・・くん?」西園寺は確信した。その昔、援助をしたことのある少年の顔と重なった。
「お~い!秋山くん」西園寺が呼びかけると、秋山は何故か逃げ出した。


っていうか~コレ15分でやる内容かな~。ネタ多すぎ。
でもって、アタシも主観で書いてるので、あんましテレビに忠実じゃないけどぉ。
戦争ネタはいつ見ても、気が重くなる。
それでも朝ドラらしく、1日が元気になるような内容であってほしいな、と思うわけだが。

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(松井かね、心の声)
まったくもう、あの小娘ときたら…ほんっとに、本当に腹の立つ!
ウチの達彦がおかしくなったのも、全てあの子の所為だわ。キ~ッ!!
磯もイケ好かないけど、その姪もトンデモない子だわね。
このアタシの目を盗んで、ひとつ屋根の下で一緒に暮らすとは、いい根性してるわ。
ええい!こうなったら実力行使あるのみ!
何としてでも達彦は岡崎に連れて帰らなくては。
ええ、ええ勿論ですとも。それが子を導く親の務めってものよ。
荷物も積み終わったし、そろそろ達彦も起きてくるころね。ほうら来た来た。
こんな小汚い住人共とも今日でお別れよ、ほら達彦、さっさと支度して。
小娘が好き、なんて戯言いうのも傍で暮らしてるからよ。
アンタには、しかるべき家の娘を世話するから安心しなさい。
あら誰か来たみたい。芸者?と、もうひとりいるみたいね。
え?この声どこかで聞いたこと有るわねぇ~?
えええええええええ、あ、あ、あんたっ!!!!!!!!
………………………………………………………………………
拓司が東京にやってきた。馴染みの芸者も連れている。
かねと入れ違いだから大丈夫、と目論んでいたにもかかわらず、当の本人は目の前にいる。
しかも、その形相は般若の如く激怒している。こわい、怖すぎる。
なんて間の悪い男だろうね、と平良とみが通りかかったら言われそうなくらい、ヤバイ状況。
だがそこは男親、皆も見ている。自分の妻にビビってどうする俺、という具合に、
拓司は自分に言い聞かせた。ここはビシッと、毅然とした態度を見せなければ。

巧くなだめすかして、かねを岡崎に帰した拓司は達彦を外に連れ出した。
心配して様子を見に来た桜子もいる。
町角では子供が舟遊びをしている。子供達の輪に入れてもらい、一緒に遊ぶ拓司。
玩具の船を巧みに操る拓司に子供達は感嘆の声をあげた。
拓司は子供達を通して、息子に語りかけた。船乗りになりたかったこと、でも船酔いがひどくて断念したこと。
自分は夢を諦めたけど、息子には諦めさせたくない。

父の思いを受け止めた達彦の胸は大きく弾んだ。一度は萎みかけた独逸行きが可能になったのだが…。


松井家って、海みたいに広く大きな心で、子供を包むのは、
お母さんでなくて、お父さんだ~。

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味噌の香りを辺りに撒き散らし、かねが東京へやってきた。
瀟洒な洋館に、紳士淑女の下宿人たち、という息子の手紙を信じていたものの、
女学生時代からの天敵、有森磯の洋装店開店祝いに顔を出した際、
磯の憎まれ口にふと疑問を持ち、息子の様子を一度確かめておこうという気になったのだ。
嗚呼、磯が余計な事を言わなければ、かねも疑問の芽をふくらませる事もなかったろうに・・・。
かねは何故、磯と犬猿の仲になったのだろう?
フツー、最初っから仲悪いって事、あんまし無いよ~。二人の過去に一体何が?

それと、老舗の一人娘のかねは、きっと先代から厳しく躾けられたのだろうな。
色々想像するとネタは尽きない。かねを主役で話が出来るくらい。

戸田恵子の声は実によく通る。
矢継ぎ早に機関銃の如く喋るかねのキャラクターは、演じる人によっては、
とんでもなく嫌味なおばさんになりかねないのだが、戸田恵子の容姿がそれを中和し、
どこか憎めない。

今日は爆笑しまくりでしたわ(笑)

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演出の巧妙さ、とでも言うべきなのだろうか。
達彦の帽子をスッとおろし、サッと頬にキスする桜子。
そこだけ一瞬スローモーション。

見ていて思わず「あっ」と声が出た。
「やられた~」って感じ。それも心地よさの残る。

昭和初期を舞台に、70年代少女マンガのエッセンスを加え、
暖かみのある空気感を表現しているドラマになっていると
思う。

ちなみにこのドラマ、見てみようと思ったきっかけは戸田恵子。
(だってガンダムのマチルダさんだも~ん。)
しかし、磯とかねの、どこか楽しげな嫌味の応酬は、見ていて結構
楽しかったりする。

ついに、自分の思いが桜子に届いた達彦に待つ運命は如何に。
第9週も、目が離せません。

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